アスフレ選手紹介:髙木慎哉

現在、アスフレファンが「アスフレのエースは誰ですか?」と聞かれたら、「増子匠」と答える人が多いだろう。

では、来年、「アスフレのエースは誰ですか?」と聞かれたらどうか。もしかしたら『髙木慎哉』と答える人が多くなっているかもしれない。今回は、アスフレの中で特異な光を放つ、大東文化大学4年の髙木くんについてお話しするZ。

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●アスフレ各選手のシュート数比較

髙木くんの凄さを知ってもらうのはシュート数を見てもらうのが一番だと思うので紹介する。

・実際のスタッツで比較
棒グラフが長いほど、より多くシュートを打っている。選手はプレイタイムが長い順に左から並べている。

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☑新加入のイシュがシュート数でトップ
☑増子が日本人トップのシュート数
☑髙木くんがちょっと存在感を出している

シュート数を比較したが、「プレイタイムが多いからシュートが多いだけだろ」と怒られたくないので、プレイタイムを30分に補正した場合のシュート数でも比較しよう。

・プレイタイムを30分に補正した場合
全選手のプレイタイムを30分に補正する。プレイタイムが30分以上あった選手はシュート数が減り、30分未満の選手はシュート数が増える。

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30分補正してわかったこと
☑髙木&翼の大学生が上位(髙木くん2位、翼くん5位)
 イシュ → 髙木 → カイル → 増子 → 翼
☑増子よりも髙木くんのシュート数が多い
 増子はB2で全体13位、日本人2位のシュート数

ここで、イシュと髙木くんのオフェンスリバウンドを比較する。
イシュ:2.8本
髙木くん:0.6本
イシュはセカンドチャンスのシュート機会が髙木くんより多い。セカンドチャンスのシュート数を除いた場合、アスフレで最も積極的にシュートを打っているのは髙木くんとなる。

●髙木慎哉に驚いた

大東文化大学からの加入が発表された時、彼を知らなかった僕はネットで仕入れた情報で3&Dのロールプレイヤー(※2)であると予測した。しかし、実際のプレーを見ると、その枠には全く収まらないことに驚愕した。主な驚愕ポイントは2個。

・驚愕ポイント①:シュートタイミング
シューターがシュートを打てると判断する要因の一つがDFとの間合い(距離)。他の選手が「打てない」と判断する間合いでも、髙木くんなら「打てる」と判断することが多い。具体的にその差は示せないが、イメージで1歩くらい違うように感じる。だから、『そこで打つか!』と驚くことが多い。ペイントタッチからキックアウトでかっつりフリーを作らずとも、ただのパス回し中にDFとのギャップがちょっとでも作れたら髙木くんは打つ。

・驚愕ポイント②:能動
外見はさわやかボーイだが、バスケに関する主張は激しい。新加入だろうと物怖じせず、味方にバスを要求する。パスを貰ってシュートを打てなければ外国籍選手に対してピックに来るように要求する。そして、プルアップ3p(※3)を沈める。自分が活きるためにどうすれば良いか、受動でなく能動で動く。このことから3&Dのロールプレイヤーの枠には収まらないと強く感じた。
(※2)
3&D:3pシュートとDFに特化した選手のこと。
ロールプレイヤー:自分の役割をこなす脇役のような存在
(※3)
プルアップ(シュート):ドリブルからのシュート

●課題

さて、ここまで褒めてきた髙木くんだが、明確な課題がある。それはシュートバリエーションと精度である。

・バリエーション

まず、髙木くんの3Pとミドルシュート(ペイント外)とペイントシュートの試投数割合を円グラフで示す。

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一目瞭然、圧倒的に3Pを多く打っている。今はまだ、スカウティングのデータが少ないが、今後は確実に対策されるだろう。3Pだけの選手で終わるのか、ペイントまで侵入できる選手になるのか、後者になって欲しいという願いを込めて、課題であると主張する。

・精度
各シュートの確率と期待値を以下に示す。
☑3P:確率30.3% 期待値0.91
☑ミドルシュート:確率50.7% 期待値1.14
☑ペイントシュート:確率16.7% 期待値0.33

3pとペイントシュートの確率と期待値が低い。ミドルシュート並の期待値までは上げたいところ。そのためには確率を以下のようにする必要がある。
☑3p:30.3% → 38%
☑ペイント:16.7% → 50.7%

3pを警戒されたらドライブでペイントに侵入する機会が増えるだろう。ペイントを警戒されたら得意の3Pを打つ機会が増える。より多くスコアするためには精度を求める必要があり、そこが課題である。

ここでは、2個の課題を堅苦しく述べた。しかし、まだ大学生の彼にとっては伸びしろと言った方が良いだろう。彼の積極的な姿勢に技術が追いついたらと想像すると、楽しみでしかない。

●アスフレに足りないこと

髙木くんについて書いていて、「そういえば、空くんもシュートいっぱい打ってたな」と思った。空くんとは、18-19シーズンに特別指定でアスフレに加入した名古屋学院大の鈴木空くん。それでシュート数を調べてみると、

30分補正したシュート数
☑髙木慎哉:15.1本
☑ 鈴木空:16.2本
髙木くんより多く打ってるじゃん(笑)。

HCも変わった、チーム戦術も変わった、けれども獲得する大学生は積極的にシュートを打つ選手。アスフレのプロ選手は良い言い方をすればバランスをとれるタイプ、悪い言い方をすれば消極的なタイプが多い。だからこそ、チーム編成上、空くんや髙木くんのような積極的な選手が求められ、特異な存在として光り輝くのだろう。

●最後に

髙木くんの背番号は24。2020年1月26日にヘリコプター事故で亡くなったコービー・ブライアントに憧れて背番号を決めたそうだ。コービーは多くの記録を持っているが、ここで一つ紹介したいのは「シュートミスの数が歴代1位」だということ。批判や失敗を恐れず、何回もチャレンジしたコービーだからこそ、多くの栄光を掴むことができた。髙木くんにもコービーのように打ち続け、いつか日本を代表する選手になって欲しい。その時、アスフレのユニフォームを着ていてくれたら、なお嬉しい。

では、また。
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