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終身雇用は古い?転職を選ぶ人が増えているワケ

みなさん、こんにちは。株式会社LIOの山下です。

最近、電車やテレビCM、インターネット広告など、転職サイトの広告を至るところで目にしますが、転職を考えている方の中には、本当にこの選択でよいのか、迷っている方もいるかもしれません。

なぜ今、ここまで転職が注目されているのでしょうか。
働き方やライフスタイルが以前とは変わりつつある日本で、今後の転職市場がどうなるのかをご紹介していきます。


1. 転職者数の増加とその背景

総務省統計局「令和4年 労働力調査年報」によると、転職者数は2019年までは年々増加しており、コロナ禍では減少傾向にあったものの、2022年には再度増加しています。
また、転職等希望者数の平均も2018年から2022年まで年々増加しています。

https://www.stat.go.jp/data/roudou/report/2022/dt/zuhyou/a00500d.xlsx

https://www.stat.go.jp/data/roudou/report/2022/dt/zuhyou/a00400d.xlsx


2. 年功序列から成果主義へ

転職者増加の背景の一つには、年功序列制度廃止の動きがあります。
年功序列とは、年齢や勤続年数に応じて賃金が上昇する仕組みで、メリットとして社員の長期雇用が促進され、労働者自身の安定が図られることや、年齢や年数という客観的な指標で評価がなされるという点が挙げられます。
しかし企業側には、若い社員のチャレンジ精神が削がれ保守的な働き方をする社員が増えやすくなるといったデメリットもあります。

そこで、近年は文字通り成果に応じて待遇が決まる成果主義を採用する企業も増加しているのです。
成果主義が広まれば、これまでメジャーであった終身雇用が当たり前ではなくなり、職場において労働者本人がそのパフォーマンスを最大限発揮できる環境であるかがより重要になります。


3. 戦後と現代、「働く理由」の変化

そもそも、終身雇用を前提とした年功序列のメリットが、働き方の変化により薄れてきているのです。
終身雇用は、戦後の混乱や貧困の中で労働者が職の安定を求めるようになったこと、また高度経済成長期に企業が競争力をつけるために優秀な人材の囲い込みを行ったことなどの背景から本格的に普及しました。

しかし現在の日本では、経済成長が緩やかになったことなどから当時のような労働のニーズが減り、ワークライフバランスややりがいを重視する働き方に注目が集まるようになりました。

厚生労働省が行っている「雇用動向調査」によると、2022年の結果では、転職入職者が前職を辞めた理由として「定年・契約期間の満了」「その他の理由」を除けば「労働時間や休日などの労働条件が悪かった」という回答が最も多く、個人的な離職理由の内訳が調査項目に入った2008年から、毎年上位に挙げられています。

次いで、職場の人間関係が好ましくないことを理由として挙げた割合も多く、労働者が戦後のように経済的安定を求めるよりも、働くモチベーションの維持を求めた結果となっていることが分かります。

また、近年はデジタル化の促進により、時間あたりの生産性がより重視されるようになりました。
そのような点からも、働く時間が長ければ長いほど良しとされる年功序列の考え方は、昨今の働き方の価値観とは乖離があるように思われます。

4. まとめ

少子高齢化が進み、労働力の確保がこれまでより困難になる中で、成果主義による人事評価はより優秀な人材を確保することに繋がるため、労働者にとっても企業にとっても合理的な制度と言えるでしょう。
働き方に対する価値観が時代とともに変化することで、労働者はより満足度の高い職場を求め、転職市場はますます活発化すると考えられます。


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