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自分が曲を作るときのモチベーションって何だろう
基本的にゲームのサウンド関連のプログラムだったり、音声加工(声のエフェクト処理とか空間の響き調整とか、マルチチャンネルオーディオ化とか)だったり、データの調整(再生方法、音量や発音リミット調整、減衰調整)などが主な業務になりつつある今日この頃なのですが、
最近ゲームのBGMを作る経験を得ました。
普段からBGMを作る仕事ではないので、曲を作るってどうなんだっけというところのお話。
最新技術をとにかく取り入れたい
普通の楽曲
いわゆる1分30秒~3分くらいの曲は
様々な人が作っているので、なかなかあの水準を求めるには、普段から作り続けるということが必要と思われる。
仕事柄、DAWなど音楽制作環境には触れ続けているものの、
音楽を作るとなると、少しベクトルが違う。
曲作りで新しいものって何だろう?
音大で作曲を学んだくらいは、音楽の作り方を多少心得ているつもりなのですが、実際、世の中には良い音楽が多くあって、実のところわざわざ新曲を作らずとも、聴いているだけで一生を楽しめるほど、音楽に手が届きやすい時代になってしまいました。
そこで、あえて曲を、わざわざ自分が作るとなると?
ゲームの音楽は、なかなか新しいものがあります。
インタラクティブな変化をする音楽だったり。
ですが、もうこういうのもかれこれ数十年たっていて、
さほど目新しいこともなかったり。
それこそ、音楽システムを作るところをやっていたので、世の中にインタラクティブミュージックが普通に流れていることはとても感慨深いのです。
さて、自分で作るとなると・・・はてさて。
ゲームの音楽でいうと単純にループ音楽
容量の少ない中、ずっと音楽を流したい
あるいは、ユーザーの操作にあわせて、音楽を鳴らし続けたい
といった需要に合わせた、曲作りが必要になります。
基本的にループしていても耐えられる音楽
これがゲームBGMに求められるものと思われます。
ブレイゼンブレイズのBGMを作るきっかけ
今回サウンドとして参加しているVRゲーム
ここでも、主に立体的な音響調整だったり、音量調整、ボイス調整などが主なのですが、このゲーム、ステージが多くあり、それぞれ個別のBGMが割り当てられていて、BGMを作るというのもコストがかかります。
一方で、運営型タイトルということもあり、
自分の担当のサウンドシステム作りは、ある程度固まってくると、新規要素もなくなり、作業が無くなってきます。
システム面でもできることは無限にあるといっても、費用対効果というか、あまり効果の少ないものにコスト(CPUコストや開発コスト)をかけるのも、もったいない。
ちょうどよいタイミングなので、1から2か月ほど時間をかけてBGMを作ってみることになりました。
ブレイゼンブレイズのBGMの構成
まず、BGMを作るというにあたり、どういう構成のデータを用意するかを考えます。
すでに、いくつかのステージの音楽はあり、それに対しての、音楽の変化などのシステムもよい感じに試行錯誤の結果、パターンが固まってきました。
音楽の要素として必要なパーツは以下のような感じになります。
・イントロ部分
・Aパート
・Bパート
・エンディング
いたって、シンプルです。
それぞれ少し解説すると
・イントロ部分は、
ゲームの開始であり、盛り上がり部分。
また、接敵していない状況なので、比較的音楽を盛り上げても問題のない部分になります。
・Aパートは、
ゲーム中に主にループ再生される区間になります。
この部分は、ゲームの効果音を邪魔しないような音を選ぶ必要があります。
例えば、ドラムの音が銃撃に似てしまうと、ユーザーが混乱してしまうので、そういうのは音作りの中で避けるようにします。
・Bパートは、
対戦で、最後のバトル、勝敗が決まるというタイミングで遷移するパートになります。
ここは、再度盛り上がりを入れても良くなります。
ただ、ゲーム中ではあるので、基本的にBGMに徹している音を選びますが、
Aパートと少し違った要素を入れてみます。
・エンディングは、
ゲームの勝敗が決まった後、リザルトが出る前の部分になります。
勝敗によって変化があるとかまでは作っていないので、シンプルにリザルトへつながるように音楽を終わらせる部分になります。
ここまで作るのにはかなりの試行錯誤をしています
最終的にこの形で落ち着いていますが、
実際のところ、もっとインタラクティブな要素を入れることも当初は検討していました。
例えば、戦況によって、パートが変化するとか。
わかりやすい例だとマリオカートの1位だと音楽のパートが増えるとか、ヨッシーにのるとパーカッションが増えるみたいなもの。
ブレイゼンでいうと、勝敗で、勝ち気味、負け気味での変化とか、ゲーム中のMVP的な貢献度によって、派手になるとか、いろいろ考えられます。
ただ、今回のタイトルの場合、敵の音の方向だったり、スキル発動など、セリフや効果音が重視されるため
BGMは控えめな演出となりました。
また、ステージごとに異なる音楽にすることで、十分な変化は得られる且つ、ステージの追加に関してもシーズン単位なので、それほど大量に一気に短期間に発生もしない(これ重要、時間をかけられるかどうかはクオリティにつながる)ところもあり、 今までのADVゲームと比較したら一つの曲の重みより数勝負な面に傾いたところもあるかと思います。
今回の曲のモチベーション
構成はわかったところで、どういう音楽にすべきか?
すでにあるステージのテイストを組みつつ、
中国っぽい、しかし架空な未来なステージ。
曲を作り始める段階では、テキストとして要素はあっても、次第にできあがってくるステージのイメージだったり、ゲームが動き出すところまで想像して自分が作れただろうか?
否。 作り始めと、作り終わりでは、どんどんと変化していって、もっとかっこよく、今風な音に近づけたい という欲求が生まれていきました。
どんな風に変わっていったかとかも備忘録を残したいところですが、今回はここまで。 次回は実際の曲の中身や何の技術をとりいれたのかを話せたらと思います。