アーセナルによるアクセラレーター・プログラムの採択6企業が決定!強化を見据える領域は?【エコシステム】
※この記事は2018年4月3日執筆記事を再掲したものとなります
アーセナルイノベーションラボが、昨年9月より進めていた「アクセラレータープログラム」の結果を発表した。
本サイトでも下記のように紹介した通り、イングランドの世界的な名門サッカークラブは、昨年9月より「イノベーションラボ」を創設。ベンチャー企業への投資・育成を目的としたアクセラレータープログラムを推進し、クラブのファンエンゲージメントやリテール領域を強化するようなテクノロジーを有するスタートアップを募集していた。
2018年1月までに250ものスタートアップが応募し、クラブはそのうち6企業への援助を決定。6企業は、10週間にわたりクラブのビジネスに携わるメンターの支援を受けながらビジネスモデルの推敲を重ね、3月にエミレーツ・スタジアムにてクラブ上層部に自社のプロダクトをプレゼンした。
今回、アクセラレータープログラムに採択された6企業は下記の通り。
①Peak
WebサイトのトラフィックデータをAIにより分析するデータ・アナリティクス企業
②BotNation
ECサイトにて、消費者の購買を支援するAR(拡張現実)搭載のチャットボットを保有する企業
③WoraPay
グッズの注文・支払、フードデリバリーなどについて決済サービスを保有する企業
④I like that
クラブのECサイトに行かずとも、ファンがメディアサイトから直接グッズを購入できるサービスを保有する企業
⑤KonnecTo
AIを通じてサポーターとクラブのインタラクションを分析するツールを保有する企業
⑥Aireal
ファンが現実世界にスタッツや3Dオブジェクトを重ねられるARシステムを保有する企業
6企業によるプレゼンを終え、今後は、どの企業に対してクラブが投資・協業を決断するのかを選択するフェーズへ移る。なお、6企業のうち何社に投資するのかは現時点では不明のようだ。
今回アーセナルが採択した企業は、AIによるデータ解析や、ARによる顧客体験の強化などが多く、これら領域への投資により、ファンエンゲージメントやリテール領域を強化しようとするクラブの意図がうかがえる。今後、日本でもスポーツクラブによるベンチャー投資が増えることも推測される中、その投資状況からクラブが目指す姿を想像するのも、競技観点以外におけるスポーツの新たな楽しみ方になるのかもしれない。