
幸せの青い鳥
●幸せの青い鳥(症候群)
チルチルとミチルは青い鳥(幸せ)を探し求めて世界中を旅しましたが.得たものは苦労だけでした…
そして青い鳥(幸せ)を捜し求めるのに.疲れ果て空しく我が家へ戻ったのですが.その疲れ切った心身を癒やしながら.窓辺に佇んで.フッと見上げた庭の木の枝に青い鳥(幸せ)が留まっていたという西洋の童話に言われるように.煩悩の要求に翻弄されて.旅をする人は案外.多いもので単に無明の闇の中を.盲目的に手探りで.行き当たりばったりに生きている事に気付かないのです…
そしてこれは世界中を探し廻ったけれど見つからず.運良く身近で見つけたと言う意味ではなく.無明ゆえに外界を探し廻ったり.他人と比べてみたり.他人の言う無責任論に惑わされたりしながら.幸せを見つける処か.苦しみ.悩み.空しさや怒りさえも創り出していた愚かさから.目覚めた時.幸せとは今.既に在る安らぎであり.満足.充足であり.歓びだと気付いたのです…
人は皆.幸福を願い.探し求めて生きています…
世を儚んで.これから死んでしまおうとする人でさえ.死の中に幸せを見い出したからに他ならないのです…
しかし幸せを探し求めながらも.何が幸せなのか.その姿形も本当には解らずに.無明なまま手当たり次第に探し求めているのです…
愚か者は幸せを願い求めながらも.いつも堅固な幸せを取り逃がす…
心を鎮め.調えて.集中力を高めて冷徹厳峻に自分を客観的に眺め.分析し.思惟思推し.見つめ直せば自分が如何に未熟で.愚かで無知なのかに先ず気付く事もできるのですが.情報過多な現代社会の中で.本当は何が幸せなのかを知らない.浅薄で小賢しい者達が語る無常な幸せなるものに翻弄され.盲信し.追い求めながら.それら大愚の坊な見解から得られる僅かな報酬(喜び.幸せ)と引き換えに.却って大きな苦しみや不満や怒りを造り出したり.欲望に魅入られ執着して.心を汚したり.心を悪魔に売ってしまう人々が多いのです…
[己の愚なるを知るが賢者なり]
そうすれば既に如何に多くの幸せを所持しているのかにも気付く事も出来.満たされた至福と歓びと多幸感の中を.更なる高見へと昇華してもゆけるのです…
[悦楽の中に聖なる大悟は啓かれる]
正しい真理(真実.事実.現実.実相)はひとつなのですが.世の中には[正しい真理]と[間違った真理]なるものが同居しているのです…
そうと気付かず惑わされ.無明に真理へと向かおうとする人々は[こんな筈ではないのに]と苦しめられたり.妄想的な概念を拠り処にして.酔生夢死してゆくのです…
[愚か者に知識があっても.それは彼を縛り付け.彼には不利なことになってしまう…
その知識は彼の好運(しあわせ)を滅ぼし.彼の頭をうち砕く(人生が破滅する)]
○足るを知る[知足]とは[今あるもので我慢する]という意味ではなく[全ては既に与えられている]だから[既に満ち足りているのだ]という今の幸せに気付くことなのです…