「相手にとって都合の良いことだけを言うのではフェアじゃない」
小池栄子さんも、好きな女優さんの1人です。
演技やスタイルの良さもさることながら、あの竹を割ったような性格がかっこよくて憧れる。
シリアスな演技もするし、普通の人も演じるし、コミカルな役もこなすし、おどろおどろしい女性も演じる。ドラマ『大奥』の印象が強烈だったけど、眉をかかずに、目力だけでものすごい存在感を出す。
かと思えば、バラエティで豪快に笑ったり、共演者たちにツッコミを入れながら場を盛り上げたりする。
何も包み隠さないような、凛とした感じが素敵だなと思う。
その小池さんの言葉もまた、かっこよくて納得した。
ちゃんと理解できているのか怪しいけど、同感だ。
「すごいですね」とか「代わりにやっておきますよ」というように、相手にとって都合の良いことを言うと、相手は悪い気はしない。
自分も相手から嫌われることはない。
でも、相手にとって都合の良いことだけを言うのは、私も良くないと思う。
得意分野の仕事は他の人の分まで積極的にやるのに、苦手分野や嫌いな仕事は自分の分すらやらない人に対して、「これもやってくれたんだ、ありがとう」と、相手が褒めてほしいところだけを褒めるのは間違っていると思う。
当然、相手は喜ぶし、「これでいいんだ」と思うので、相変わらず本来の自分の仕事はやらずに、他の人の仕事を手伝って褒められようとする。
それでチームの仕事が進むならいいけど、誰かが仕方なくその人の仕事をやることになったり、その仕事ができていないことに誰も気づいていなくて取り返しのつかないことになったりすると、みんなが困る。
当の本人も、注意されずに今まできたのであれば、責任感や罪悪感も持たない。
やっぱり相手にとって都合の良いことだけを言うのは弊害があると思う。
それに、見方を変えると、その人の成長の機会を奪うことにもなっている。
苦手だとか嫌いだからといって、自分のやるべきことをほったらかしにして、誰かがやってくれるのを待つのは良くない。
せめて誰かにお願いするとか、上司に相談するとかしないと、チーム全体に迷惑がかかる。
それなのに、周りがその人に都合の良いことだけを言ってしまうと、その人は報連相といった基本的な仕事のやり方を学ぶ機会を失うことになる。
それに、苦手分野にチャレンジして、それを克服するという成功体験もできないことになる。
やりたいことをやって、やりたくないことは放置するというやり方を褒められて育てられてしまうと、その人は裸の王様になってしまって、恥ずかしい思いをする日が来るかもしれない。
その人の都合の良いことだけを言う人って、優しいように見えて、実は冷淡なんじゃないかと思う。
「2つ褒めて、1つ叱る」と言うように、本人への伝え方やタイミングは考慮する必要があるけど、私は間違ってることは間違ってると伝えられる人になりたい。
フェアな環境にして、フェアな人間関係を築きたい。