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「滑り1つで、周りを黙らせる滑りにこだわっている」

滑り1つで、
周りを黙らせる滑りにこだわっている
   
平野歩夢
   (2022北京五輪スノーボードハーフパイプ金メダリスト)

心を輝かせる名言集


怒りの逆転金メダル!

王者ショーン・ホワイト選手が、自ら平野選手のもとに駆け寄ってきてハグしたシーンは感動的でした。しかも、「みんな私にどんなレガシーを残すのかと質問するけど、今日、それを目の当たりにしたと思う」と、平野選手を絶賛したことに胸を打たれた。

実況の「時代が変わりました。時代は受け継がれました。」というのも感動的だった。


「トリプルコーク1440」を組み込んだ構成というのは、平野選手がオリンピックで初めて成功させたらしい。

その偉業もさることながら、インタビューでの落ち着きにいつも感心する。

今回のオリンピックでも、2回目の点数の低さに納得いってなかったみたいだけど、金メダルを確定させた後のインタビューでは、怒りを表に出さず、落ち着いて受け答えしていた。


彼の言葉というのは、またまた落ち着きのある言葉ばかりで驚いた。

若いのに達観したものの見方をしているし、若いから力がみなぎっている。

忘れていた感情を私に思い出させてくれた。

滑り1つで、周りを黙らせる滑りにこだわっている」というのも、その言葉の1つ。




「有言実行」はかっこいいとは思う。

実現できない可能性もあるのに、「私はこれを成功させます」と宣言する。そして実際にそれを成功させるというのは、かっこいいことだ。

平野選手もこう言ったらしい。

俺、小さい時にテレビで言っちゃったんですよね。スノーボードとスケートボードで世界一になるって、だからやるしかないんですよね

「心を輝かせる名言集」

そして今回のオリンピックでそのうちの1つを成功させた。


有言実行もかっこいいけど、私は「不言実行」に憧れていたというのを思い出した。

ふげん-じっこう【不言実行】
あれこれ言わず、黙ってなすべきことを実行すること。▽「不言」は何も言わないこと。

「goo辞書」

誰にも事前に宣言せず、実は水面下で着々と準備を進め、夢が叶った時にそれを初めて打ち明ける。

20代の頃、そういうことをする人を「かっこいい」と思っていて、自分もそうなりたいと思うようになった。


それに、仕事ってテストの点数みたいに数値化できるものではなく、「成功」の形は多種多様だ。

例えば、一言で「資料作りがうまい」といっても、その内容は様々。

  • 要点が簡潔にまとまっている

  • 構成に無駄がない

  • 文章が分かりやすい

  • データを効果的に取り入れている

  • 色使いがオシャレ

  • 作業時間が短い

上司から資料作りがうまいと褒められている人がいる時、あまりに絶賛されていると、負けず嫌いの自分が顔をのぞかせ、「私だってうまく作れるのに」とか「私の方がうまく作れるのに」と思ってしまう時がある。

つい、「その言い回しより、こう言い換えた方が分かりやすいのに」「その色使いより、この色使いの方がきれいなのに」「私ならこういう構成にするけどな」などと口を出したくなる。

これは、裏を返せば、私が褒められた時に、そうやって難癖をつけてくる人がいるということ。


自分が資料を作って見せた時に、何の言いがかりもつけられないくらいに完璧な仕事がしたい。

ダメ出しもされたくないし、私もあれこれ言い訳して苦しい正当化はしたくない。


10年くらい前は、そんなことを思っていた。

いつしかそのポリシーが消えかけていた。

平野選手の言葉を読んで、その時の気持ちを思い出せた。


年配の偉人や歴史上の偉人の名言から学ぶことも多いけど、若い人からの言葉にも学ぶことは多い。


滑りにも感動したし、本人の信念にも感動した。

金メダル、本当におめでとうございます。




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