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「個人は常に親切。集団は意地悪。集団は逆を行きたがる。」

50歳くらいの男性はかっこつけたがるんです。
心理学では「集団判定反応」と言うんですが、かっこつければかっこつけるほど、対個人では「いつまでもお若いですね」となるけど、集団の目というのは常に逆を見るんです。「おじさんだ」と、逆に言われてしまう。

個人と個人の場合は、基本的には人は常に親切なんです。
個人と集団になると、集団は逆を行きたがる。その集団は、一般的に意地悪です。集団が個人を見る場合、かっこつけてもあら探しをされる。

   植木理恵(心理学者)

「ホンマでっかTV」


苦手な人なのに、1対1で話すと、「あれ?意外といいやつだな」と思うのは、「集団判定反応」という心理が働いていたのか。

やっぱり心理学っておもしろい。


学校では、生徒という集団から見ると嫌な先生でも、個別に話すと親近感が湧くものだった。

仕事では、部下という集団から見ると、上司の言葉遣いの細かいところまで気になるけど、1対1で話すと、なぜか聞き流して、むしろ積極的に協力したいという気になる。

バラエティ番組で観ると苦手だったり興味なかったりする芸能人も、インタビュー番組で観ると、好きになっていることもある。直接会って話すことはなくても、個人として観るからなんだろう。


自分にとって居心地のいい職場にするためには、職場風土を変えたいと思うけど、それは集団を変えようとしているようなものだから、やっぱりまずは自分を変えることなんですね。

職場風土を変える方法としてよく言われるのが、「あいさつをしよう」とか「雑談をしよう」といった、コミュニケーションの機会を増やすというもの。

それはその通りだと思うけど、その根底にある本質は、「個人と個人の接点を増やすのが効果的」ということなんだろう。

接触機会が多ければ多いほど、好感度が上がると聞いたこともある。


私は積極的に接触機会を増やすタイプではない。

本来は人懐っこいところもあるから人と話すのが嫌いというわけではないけど、人見知りするところがあるし、つまらない話に相槌を打たないといけない時や、相槌の言葉選びが難しい時は、正直言って疲れることもある。

自分のプライベートにまで踏み込まれるのも苦手だ。仲良くなりすぎないように距離をとる。つまり、雑談の機会を遠ざけるようにする。

それに、雑談はやっぱり時間を取られてしまう。作業の途中で話しかけられたり、もうすぐ帰れるという時に捕まったりしてしまうと、時間が惜しくなる。


でも、ある程度は1対1の雑談の機会を増やした方がいいんだろうな。

1対1で雑談することが少ないと、「集団判定反応」が働きすぎる。つまり、意地悪な視点で人を判断してしまう。

だから、嫌いな人は嫌いなまま。嫌いな人が同じ職場にいると、居心地の悪い状況から逃れられなくて、自分も嫌な思いをするし、それが態度に出てしまって、相手にも嫌な思いをさせてしまう。

人のことを好意的に見れないと、周りからも「性格が悪い」「性格がきつい」と捉えられてしまい、結果的に自分の立ち位置が危うくなる。


いろんな人と一緒に過ごさないといけないんだから、自分の都合だけで動いていてはよくないな。

雑談しすぎるのも問題だけど、職場の雰囲気を良くするため、そして自分が機嫌よくいられるようにするために、今より少しだけ、人との関りを増やした方がよさそう。


それにしても、「個人と個人の場合は、基本的には人は常に親切」というのは、明るい事実だな。



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