体力を測る6つの方法
バイオハッカーにとって、さまざまなフィットネステストは自分のフィットネスレベルを総合的に評価する機会となります。これらの手法やテストは体力やパフォーマンスを評価し、最適な運動メニューを計画するのに役立ちます。現在ではテクノロジー、手法やウェアラブルのアプリにより、身体能力以外の分野を総合的に評価することが可能です。
垂直跳び
垂直跳びは下半身の爆発的な強さを測定するための最も正確なテストの一つです。実際、垂直跳びは下半身の最大速度の強さと強い相関関係があります。男性では60cm、女性では50cmが目安です。テスト結果より10cmジャンプ力を高くするには、かなりのトレーニングが必要です。トップアスリートの垂直跳びは公式で122cmまで計測されており、伝説のバスケットボール選手であるマイケル・ジョーダンもその一人です。
立ち幅跳び
立ち幅跳びは身体の爆発的な強さと弾力性を測定します。このテストに特別な道具や準備は必要ありません。また、測定方法も簡単なので、自宅でも手軽に行うことができます。立ち幅跳びは世界各国の軍隊で一般的に行われているフィットネステストです。また、多くのプロスポーツでも、シーズン開始前のテストとして、立ち幅跳びを使用しています。興味深い点は立ち幅跳びの結果は、個人が選んだ目標設定によって大きく左右されます。ある研究で立ち幅跳びの目標設定に内的焦点と外的焦点に分けました。
「できるだけ遠くにジャンプしようとするときは、できるだけスタートラインを越えてジャンプすることに注意してほしい」という外的焦点のアドバイスをしたグループの方が、「できるだけ遠くにジャンプしようとするときは,できるだけ早く膝を伸ばすことに注意を向けてほしい」という外的焦点のアドバイスを受けたグループよりも良い結果をもたらすことがわかりました。
UKKウォークテスト
ウォーキングで持久力を測るUKKウォークテストは1990年代初頭にフィンランドで開発された科学的に検証された持久力フィットネス(呼吸器系と循環器系)のパフォーマンスを測定するテストです。このウォークテストは特に中高年の体力測定を目的としています。しかし、他の年齢層にも適用することができ、現在、幅広く教育の中で持久力フィットネスの測定に活用されています。
クーパーテスト
クーパーテストは、1968年にケネス・H・クーパー博士が米国陸軍のために開発した、最大持久力を評価するためのテストです。12分間でできるだけ遠くまで走るというシンプルなテストです。研究によると、クーパーテストの結果と最大酸素摂取量の間には強い相関関係があります。このテストはランニングの効率性とテクニックも含まれるため、ランナーに最適なテストです。
RASTテスト
RAST(Running Based Anaerobic Sprint Test)はウォルバーハンプトン大学で開発されたテストです。開発者によるとRASTはWingateテストに似ていますが、ランニングを伴うスポーツにより適用しやすくなっています。また、自転車用エルゴメーターや計測器などの追加装備なしに、より簡単に行うことができます。現在では、球技(特にバスケットボール)において、乳酸耐性の測定に広く用いられています。RASTテストでは35メートルをできるだけ速く6回走ります。各35メートルのスプリントの後に10秒間の休憩があり、各スプリントは100分の1秒単位で計測されます。各スプリントのパワーは以下の式で計算されます。
パワー = 体重 x 距離² / 時間³
その他の量は以下のように計算されます。
ピークパワー=最も速い(通常は最初の)スプリントのパワー 最小パワー=最も遅い(通常は最後の)スプリントのパワー
筋電図
筋電図(EMG)は筋肉の電気的活動を測定します。医療において筋電図は一般的に筋肉や神経の損傷を調べるために使用されます。この10年でバイオハッカーが関心を寄せる表面筋電図(sEMG)が登場しました。この装置で筋細胞の活性化や疲労パターンを正確に測定することができます。最新のEMGアプリケーションには筋肉の活性化に加えて心拍数やエネルギー消費量を測定するウェアラブルな生体計測機器があります。
ファンクショナル・ムーブメント・システム(FMS)
FMSは代表・松田干城も所有する資格で、モビリティとボディコントロールを測定する際に、多くのフィットネストレーナーやバイオハッカーが選択するメソッドの一つです。FMSは筋力トレーニングと体の動きを専門とするアメリカの理学療法士、グレイ・クックによって開発された7つのエクササイズです。
このテストを開発した動機は基本的な動作パターンに関連した筋肉の動きの制限や問題を判断するための手段として、一連のスクリーニングを作成することでした。FMSテストでは身体の可動域とバランスを評価します。FMSテストの結果が悪いと、ケガのリスクが高くなるという強い相関関係があります。なお,FMSテストには特別な訓練を受けたインストラクターが必要です。FMSテストはプロのアスリート(NFL、NBA、NHL)、兵士、大学のアスリートの筋力トレーニングにも広く利用されています。
日本でも資格取得テストが行われています。こちらをご参照ください> FMS JAPAN
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