慈済慈善事業基金会のお話

この記事は2018年春に投稿した記事の再録です。内容は当時のものです。
慈済基金会は花蓮に本部をもつ、ボランティア先進国台湾の、最大の民間ボランティア組織です。ボランティアだけでなく医大とその総合病院や近接する科学技術を学ぶ大学も持っています。今回の地震(2018年2月に発生した花蓮地震)にも素早く対応しました。

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この組織は1966年に人のためになろうと決心し、30名の主婦と5人の出家を伴い始まりました。 正確には財団法人仏教慈済慈善事業基金会が母体のボランティア団体です。四大志業すなわち奉仕、医療、教育、人文の4本柱の活動を行っています。(志業とは台湾華語で営利を目的としないボランタリー活動のこと)人文とは文章や映像で精神の普及活動を行うことを指します。台湾国内だけでなく、国際組織でもあります。NGOとして国連にも認定されています。人、真理、救苦のため、災害だけでなく日常も貢献することを目的としています。救貧、医療、無医村への医師の派遣など多岐にわたる活動を行います。教育の場を設けることも素志にかなっています。精神の普及のためにテレビなどのメディアも持っています。4・50年でここまで持ってきました。

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慈濟では普段から活動しているので心構えというものが形成されるので、いざ災害という時でも迅速に対応できるのだと思います。たとえば、メンバーは月例のボランティア活動を行っています。孤児院や老人ホームや小さな村落などを訪問しヒアリングして様々なニーズに対応します。またボランティアは約2年間のトレーニングでステップアップを図ることにしています。4段階あり、最後の4段階目にテストを行います。

ボランティアの技術にはどんなものがありますか?

ボランティアは職能で大別すると教員、医師、その他の3種類あります。それぞれ小さなチームをつくて活動しトレーニングします。その他の部は大勢いますので慈濟委員会の管理下で活動します。

ボランティアには指揮命令系統があるのですか?

大本の司令塔は仏教慈済慈善事業基金会です。弱者のケアから災害まで各種のマニュアルを用意して備えています。

88大水害で被災者の復興住宅を建てましたが、建築や建設の技術者も中にいるのですか?

住宅建築や土木作業は基本的に外注です。ただし、高度な技術を要する作業以外は慈濟のボランティアが手伝っています。

呂さんたち幹部の方もトレーニングをされるのですか?

幹部は基金会内部にトレーニングする場を設けて行っています。

幹部の皆さんの活動はどのようなものがありますか?

幹部は諸個人で自発的に活動するように訓練されています。小は交通事故から大は今回の地震のような大災害まで、どんな時もどこにいても自発的に出動し現場を調査し本部に報告します。

今回の花蓮地震ではどのような活動をされましたか?

花蓮地震では、発災の5分後に新城の慈濟本部内にボランティアの指揮センターが立ち上げられました。宿直の担当者がマニュアルに従って直ちに行動したのです。並行して、自宅にいた幹部は被災地に直行しました。本部ではその後発災1時間後にキッチンで被災者に提供する食事が完成しています。まだ余震が多発してる中で行いました。また、LINEを使ってボランティアメンバーとのコミュニケーションを行っています。

具体的な活動はどのようなものでしたか?

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慈濟の系列化に大学病院があります。この時は医師も看護師も他の従業員も全員出動しました。当然様々な手伝いが必要なのでボランティアも駆けつけてきました。まず、被災者のこころのケアが必要です。日頃から弱者ケアの奉仕活動を行ってきましたので得意とするところです。それから被災者に食事を届けました。発災後翌朝には被災者に提供しています。また、駆けつけた救援部隊やボランティアにも様々なケアを行っています。ボランティアに対するボランティアですね。当日寒かったので備蓄していた毛布をすべて避難している被災者に配布しています。避難した人は倒壊した建物だけでなく、余震での倒壊を心配した他の市民も含まれていて大人数でした。

避難所に独自開発したベッドを提供しています。紙で出来ていて、簡単に展開できます。170㎏の重量にも耐えられます。これは足りない分もありますので台湾各地の倉庫から運び出しています。当然のことですが、政府にも協力しますし、紅十字會(台湾の赤十字)、世界展望會、中華民国捜救総隊、消防団など、他団体とも調整・連携します。日本の東日本大震災の時は日本支部はもとより、台湾全国のメンバーが一致協力しました。

日本のボランティアに何か提言はありますか?

日本は尊敬している国ですので私達から敢えて言うことはありませんが、代わりに私達の姿を伝えていただきたいと思います。私達は民間のボランティアであると同時に宗教でもあります。技術よりもまず奉仕したい貢献したいという志が第一に必要です。志があれが後から技術がついてきます。私達はトレーニングでもそのことを重視しています。

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