日本酒の桶買い、桶売りに関して少し書いてみました。 本日の紹介酒は八海山 吟醸酒(新潟県)
Quoraにて、以下の質問を受けました。
「大手酒造メーカーさんの一般大衆向けの有名なお酒は、たくさん出荷しなければならないので、近隣の契約している酒造家さんからお酒を集めて調合して流通しているというのは都市伝説ですよね?」
https://jp.quora.com/q/nihonshu-te-isu-tein
※上記は質問サイトQuoraの日本酒テイスティングブックのスペースです。
この件に関しては、昭和40~50年代にあった話で、現在はここまで日本酒の需要がないので行われていないと思います。
需要が増えた際にどうしても増産しなければなりません、そこで設備投資を行ったところでその需要が永久に続く訳では無いですから、どうするのかという事になってきて、それならば設備の余っている酒蔵に生産を手伝って貰おうという話になってきます。
※昔の日本酒CMソング集 youtubeより引用
この件に関して、昔はマスコミに悪いように報道されたようですが、実際、この当時大手から依頼を受けた酒蔵は、技術も設備も不充分だったので、大手からの仕事の依頼を受ける事で、酒造りの技術が向上し、設備も整えることが出来たので現在では銘醸蔵に成長している酒蔵が複数存在するのは事実です。
※下記の写真はいいちこ紙パック25度(三和酒類様のHPより引用)
つい最近ですと、焼酎ブームの際にいいちこさんの設備不足から、他の酒蔵さんへ生産依頼があって、その中で特にお酒の品質が高かったのが、現在芋焼酎で有名な佐藤だっとと言う話です。
※下の写真は麦焼酎佐藤(Amazonより引用)
結局、他所で造ってブレンドしてラベルだけ張り替えて販売しているから偽物を販売しているかって話になると、結果はどうあれ大手メーカーさんのラベルを張って販売する以上は、一定の品質まで仕上げなければいけない訳ですから、依頼を受けた側はクライアントである大手メーカーさんが要求するレベルの酒造りが出来なければ仕事に成らない訳ですし、特に剣菱さん、菊正宗さん、長龍さん(奈良県)に関しては技術指導も品質チェックも厳しかったと実際にやっていた酒蔵さんから聞きました。
※下の画像は特選剣菱(剣菱酒造様HPより引用。)
別に大手メーカーさんだけでは無く、地方の有力蔵でも同じようなケースは存在し、実際にその中から銘酒として誕生したのが、新潟の八海山さんです。今では日本を代表する位の酒蔵になっていますが、昔は新潟の有名蔵の酒を造っていたそうです。
※下の画像は八海山吟醸酒(八海醸造様HPより引用)
そう考えると都市伝説では無く現在の日本酒ブームの下地を作った一つの要因と考えられますし、良い悪いでは無くて結果が出ているという意味で評価すべきだと思います。
日本酒テイスティングデータ
銘柄 71、八海山 吟醸酒 (新潟県)
主体となる香り 原料香主体、淡い果実香と淡いハーブ香有
感じた香りの具体例
白玉粉、生クリーム、マシュマロ、白桃、青りんご、グレープフルーツ、スウィーティー、クールミント、瓜、クレソン、水飴
甘辛度 やや辛口
具体的に感じた味わい
スッキリ爽やかな飲み口、キレよくスッキリした苦味と酸味が主体、後味はスッキリキレる、スウィーティーやクールミントを思わせる含み香
このお酒の特徴 スッキリ爽やかでキレの良い爽酒
4タイプ分類 爽酒
飲用したい温度 10℃前後、38℃前後
温度設定のポイント
10℃前後にて、キレよく爽やかな味わいを引き出す
38℃前後にて、キレよく柔らかい味わいを引き出す
この日本酒に合わせてみたい食べ物
ヒラメの薄造り、サーモンの昆布〆、スモークサーモンのサラダ、カマンベールチーズのフライ、シーザーサラダ、白身のフライ
お問い合わせは 酒蔵 https://www.hakkaisan.co.jp/
Quoraテイスティングブック https://jp.quora.com/q/vqteahszdbwtotmx
※日本酒4タイプ分類に関しては、SSI(日本酒サービス研究会)の分類方法を引用し、参考としています。
※写真は製造元酒蔵様のHPより引用しています。
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