とうとう降りた新世界のふぐ提灯 本日の紹介酒は幻になったづぼらやのひれ酒
大阪の象徴としてでは無く
すでにご存じの方も多いと思いますが、づぼらや全店9/15にて閉店となり、閉店前となりますが、とうとうふぐ提灯が新世界から消える事になりました。大阪の方々にとって、ふぐ提灯は大阪の食べ道楽の象徴だったと思いますが、私のように実際に働いていた人間からすれば、辛苦を共に過ごしたかけがえのない仲間だったんだなって、あべの経済新聞さんの記事を読んでいて感じました。勿論、私よりも長く勤めてこられた方にとっての感想と私のように中途入社で入社した人間とでは意味は違うと思いますし、それぞれに感じる事は有ると思います。
何故、づぼらやに入社したのか
今更ながら、前職を辞めた理由をお話しすると、自己管理が甘かったので、後先考えずに働きすぎて体調を崩し、家族と会社からタオルを投げられて、最終的に一旦退職し身体を治す事になり、早い段階だったので軽症で身体を治す事が出来て、その後就職活動しました。その時にたまたま、づぼらやが募集されていて量販店から、サービス業に転職する事になったのですが、決め手になったのは、一世紀近く続く飲食店で働いてみたいという私の好奇心からの部分が非常に大きかったですし、面接して頂いた現在の社長の人柄にも惹かれました。
実際に勤めてみて感じた事は(上記の写真はJR西日本ポスターより引用)
非常に従業員を大事にする会社で、良い意味で家族的な企業でした。現代社会では終身雇用が崩壊していますが、実際に30年や40年、中には50年以上勤めている方も普通に居られる会社で、何か社内で問題が起こっても良い意味で従業員を信頼し、お客さんの言い分だけを聞くのでは無く、問題を起こした従業員の状況説明にしっかりと耳を傾け、どこが問題なのかをしっかりと説明を行う会社でもありました。
適正な価格でリーゾナブルな料理を提供出来た店でした(写真はてっちり)
ちょっと前まで、飲食業に関して従業員の給料を低く抑え、その分料理やドリンクの価格を安く設定するお店もあり、その労働環境に関して非常に問題になっていますが、づぼらやというお店は、お客様も従業員も大人のお店だったので、そのような事は一切しませんでしたし、会社の方針として絶対に価格競争に走らないお店でした。その代わり、本当にプロが作った料理を適正な価格でリーゾナブルにお客様に提供するお店でした。
メディアの取材に関しては中身をしっかり吟味して受ける(写真はふぐにぎり盛合せ)
良くも悪くも泥臭く、それでいてメディアの取材に関しては、これでもかと言う位に社内で吟味し、基本的にワイドショーやバラエティー番組に関しての取材は受けず、放送内容に関しては、絶対に自社のイメージを傷つけるような番組には出ませんでした。やはり、この自社の看板を大事にする部分に関して非常に徹底していましたし、一従業員として安心して勤めることが出来る会社でしたし、例え大手新聞社の取材であっても、礼儀をわきまえない記者に対して毅然とした対応を取るよう、上から下まで徹底されていました。
私にとっての最終営業日(映像はづぼらやのCM)
毎日、この曲を聴きながら仕事していましたが、私が最後にお店で仕事したの4/7でその翌日からづぼらやは休業となりました。今でも覚えていますが、その日の最後のお客さんはいつも来る常連のお客様で、その日はいつも一緒に来られた方が大病を患い、病院の後でどうしてもふぐが食べたくなり来ていただけたとの話で、今考えるとそのお客さんに最後に来ていただいて私自身は非常に良かったと感じています。もう一度、身体を治して一緒にてっちりを食べたいと言っていましたが、その思いに応える事が出来ないのが非常に残念でありますし、この先、その思いを背負って一生懸命働こうと私は今更ながらに思います。
本日の紹介酒 幻のづぼらやのひれ酒
※今回は細かいデータを取っていませんでしたので、いつもと少し違う形式となりますが、ご了承くださいませ。
主体となる香り
原料香主体、淡い乳酸香と香ばしい焼きひれの香り、独特のカラメル香有り
具体的な味わい
滑らかでふくよかな飲み口、繊細で柔らかくふくらみのある旨味が主体、後味のキレは良い、カラメルや乳製品を思わせる含み香
ひれ酒の特徴を一言で表すと
繊細で柔らかくふくよか、後味のキレよく、何杯でも楽しみたくなる味わい
飲み頃の温度帯
55度前後の超熱燗で、繊細なふくよかさと焼きひれの香ばしい香りを引き出す。
合わせたい料理
てっちり、てっさ、ふぐにぎり盛合わせ、ふぐの唐揚げ、フグ雑炊等
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