「流れ流れてサツマイモ、カボチャもそうだね、小松菜どこから、日本人」~長月の旬(2014年9月)
●あたしも若い頃が、苦労をしたものさ・・・と、キセルの灰を落とす・・・カボチャさんです。 (´_`。)
カボチャさんが日本に伝来したのは、安土桃山時代なのだとか。 👀
かの・・・時の名君(?)
織田信長さんが安土城に移った年(1576年)に、ポルトガル人が種子島に漂着(!)
その折に、ポンキンという種類が「持ち運びし易い、種の状態」で持ち込まれたらしいんですが、毒がある(!)との迷信があったらしくて。
・・・なかなかに、民人には愛してもらえずにいたらしいんです・・・★
ちなみに、ポルトガル人がカンボジアから持ち込んだとかで、日本では「カボチャ」と名付けられたとの説も。
●さて、今良く食べられているニホンカボチャには、二系統あるそう。 👀
まず一つは、ボーブラ(ボウブラ、ボブラ、ボウフラとも)はポルトガル語が訛ったモノだそうで、菊座カボチャの類。
もう一方の方はというと、中国の南京で改良されてきたからか、「ナンキンカボチャ」とか、「トウナス」と呼ばれているそうで、お江戸開闢の頃のカボチャさんは、長崎の辺りで栽培されているだけで、しかも紅毛人や唐人に向けてだけのモノでした。 (゜-゜)
カボチャの形が「ボウブラという土瓶に似ている」から・・・九州では、ボウブラ。
関東では、唐(中国)のナスの意味で、トウナスと呼ばれていたんだそうです。 👀
●それがお江戸では、三代将軍・家光の頃に(!)
これは今もあるんですが、旧荏原郡に大崎村(現在の品川区大崎)というのがありまして、東海寺というお寺さんが、当時出来たんです。 👀
そこの沢庵宗彭和尚というお方が、また上方から取り寄せたんだそうで。
大崎居木橋(写真・下は、現代のおおさき・いるきばし)の村名主・松原庄左衛門さんに頼んで、まず栽培はしてもらえたんですが・・・。
これがまた、八代将軍・吉宗の頃まで・・・お江戸ではカボチャさん、なかなかに存在を認めてはもらえず・・・★ (´・ω・`)
場所が変って、京都で植え始められたのは、四代将軍・家綱の頃から。 👀
こちらは、鹿ケ谷産が有名(!)なんだそうですが。
奥州津軽から取り寄せた時には、もともとはただの丸い普通のカボチャだったのに、京都の土のミラクルか、連作する内にその形が豹変(?)
下の写真のごとくに、ヒョウタン型に変形をしてしまい、尚且つ、巨大化(?)
・・・とはいえ何だか、病害にも強かったとかで、喜ばれはしたようです。 (^_^;)
●さて明治に入ってからは、ナタワリ(セイヨウカボチャ)が寒冷な土地でも良く育つというので、栽培をされるようになりました。
これが・・・わりに育てやすくて、豊作な事が多い(!)
なので、ようやく・・・カボチャさんは、喜んで育ててもらえるようになったみたいです。 (^▽^;)
第二次世界大戦の折などは、なにしろ食糧不足でしたから(!)
日向にはカボチャさんを植えて、日陰なら今度は、ニラを育てるようになんて奨励・・・なんて時代もありました。 👀
そんな・・・日本の皆さんに愛されるまでに、長ら~く苦労を続けたカボチャさんなんですが、βカロテン(ビタミンA)が豊富で、これは免疫力低下を助けて下さいます。 👀
ビタミンB1やB2、CやEも含んで、抗酸化作用はもちろん、身体を温める効果もありますから、冷え性にもとても良いんです♡ (^-^)
・・・冬至にカボチャを食べるというのは、この冷えにはもちろん、風邪予防に良いからだとか。 👀
鉄分やカリウムも含んでおられるので、貧血や高血圧予防に。
また皮やワタには、食物繊維も豊富ですから、便秘改善にもパワーを発揮するお方なんだそうですよ。 (^_^)/
●そうなのかい?
あたしはそうでもなかったよう・・・と語るのは、サツマイモさんです。
二代将軍・秀忠が江戸城を納めることになった、1605年の事です。
中国は、明への親貢船の事務官であった野国総管(のぐに・そうかん・・・こちらは琉球時代の役職名なれど、一個人★)が、中国から持ちかえって来て栽培したのが切っ掛けなのだとか。 👀
何しろ、痩せ地でも育つ(!)ことから栽培はどんどんと増えて、10年後にこれを、九州は平戸におられた英人のコックスさんなる方が取り寄せて栽培を始めます。
三代将軍・家光の頃には、サツマイモさんは伊予宇和島にまでも伝わり、五代の綱吉さんの頃には今度は、宇和島から今治へ。
・・・何とも、素晴らしいご活躍ですよね。 (〃∇〃)
それからは愛媛の土地を飛び出して、瀬戸内海の島々にまでも伝わりますが、救荒作物としての優秀さが認められて、八代・吉宗さんの頃には島根でも試作を開始に。 👀
江戸の土地では、やはり将軍・吉宗の命(!)で青木昆陽(別名・甘藷先生と呼ばれるほどに力を尽くした★)が試作を始めたのですが、これがさらに八丈島にまで移住(!)
遠方の島の飢饉までをも救う、大スター(!)になりました。 (〃∇〃)
十代将軍・家斉の時代にはこの方、愛される余り、「甘藷百珍」なんて料理本に取り上げられたそうですよ。 (*^▽^*)
●・・・そんなサツマイモさんですが、お江戸の土地では、焼き芋として特に賞味をされました♡
今も愛される焼き芋屋さんなんですが、関東では居店で活動したそうですが、関西では蒸しイモで行商をして売っていたとか★ 👀
明治にもなると、はるか遠くの小笠原までもサツマイモさんは伝わり続けては、民を助けていたようです。 (。・ω・)ノ゙
第二次世界大戦の折には(!)
・・・カサがあって、米の代替にも良いと奨励をされて、栽培を強化(!)
戦争が終れば今度は、資材不足の折から、アメリカのGHQにまでも命じられて・・・なんと(!)
味噌のカサ増しにまでも活躍をさせられたとかで、サツマイモさんの芋生にも、かな~りな紆余曲折があったようですよね。 (T_T)
●揚げてよし、ゴハンに混ぜてのイモ飯、イモ粥、煮ても焼いても蒸しても良し!
その人気は、米に匹敵する勢い!・・・な、サツマイモさんなんですが★
いざ保存(!)という点でだけで言えば、米の保存性にまでは、肩を並べる処まではいけなかったのだとか★
でんぷんと糖分を多く含んでいるサツマイモさんなんですが、ビタミンCとカルシウムが多く含まれているのもまた、その特徴なんだそうです。 👀
そして何しろ、豊富に含んでおられる食物繊維にはまず便秘予防に。
また黄色いサツマイモの種類(金時など)には、カロテンも多く含んでおられます。
・・・カロテンは体内でビタミンAに変わるので、夜盲症や視力の低下を防いで下さいますし、ビタミンCは美容効果も♡
この夏、痛んだ肌を癒して下さいます。 (*^▽^*)
ただ、「サツマイモを食べると、胸やけがする・・・」という御仁がいるそうです。 👀
これは、サツマイモさんには「でんぷんが多く含まれる」のでまれに、消化しきれない方もいるのだとか・・・★
そんな時は、おイモさんにマーガリンを塗って食べるとか、大根おろしを添えてあげると、消化酵素が助けてくれるんだそうです。 (^_^)/
●それを聞いて、少々肩をくすませる・・・小松菜さんです★
小松菜さんは、キャベツや菜の花と同じアブラナ科の一種です。 👀
そもそも・・・お江戸の初めの頃には余り、菜類というモノ自体の生産には、百姓達はあまり力を入れていませんでした。 (^▽^;)
何故かというと・・・何しろお江戸というのは、ホントに何にもない処にお城を建てたというお土地柄です。
開闢当初はまだまだ、生産性が絶(!)不足していた時代でしたし、そんな時に飢饉なんか起こってしまえば、ひとたまりもありません★
なので、お腹の足しにならない葉菜類を育てるよりも、手っ取り早くお腹を満たせる根菜類や果菜類(ナスや瓜、エンドウなど)を多く育てていたんですね。 😅💦
・・・葉菜類なんてモノは、山菜や野草で補っていたんだそうです。 ( ̄▽ ̄;)
そんな・・・日蔭者の葉菜類の小松菜さんに陽が当ったのは、何といっても、青物の少ない冬の時期に収穫ができるという利点からでしょう(!)
今でこそ、様々な時期の野菜がスーパーや八百屋さんに立ち並び、売られてもいますが、お江戸の頃ならまず、そんな事は考えられません。 😅💦
●・・・さて。
江戸の初期の頃ですが、現在の東京都江戸川区小松川村で、将軍吉宗が鷹狩で訪ねた折に献上をされて、その時に地名から名付けられたというのが、一説にある・・・小松菜さんです。
たしかに吉宗は当時小松川を訪れているし、地元の香取神社で休憩を取ったと記録にもあるそうですが、これが本当かどうかは判らないのだとか。 (^▽^;)
ただ、小松川村の隣りにある葛西村で栽培されている青菜が、味が良くて評判だったとの表記はあるそう。
それは、古代日本に伝来してきたカブが、「ククタチナ(茎立ちして、葉を茂らせる)」ように改良、栽培されたモノなのだそうで、当時は生産地から「葛西菜」と呼ばれていたそう。 👀
それを、隣りの小松川村の椀屋久兵衛(わんや・きゅうべえ)という篤農家のお方が、更に品種改良して栽培(!)
葛西菜より香りも良く、味も良かったので「別モノ」として「小松菜」というブランドになったモノだとか。
●ちなみに、カブを原種とする葉菜類は例えば、武州寒菜(群馬・埼玉)や信夫菜(福島)、大崎菜(新潟)、野沢菜(新潟)など色々あるそう。👀
ホウレンソウより灰汁(あく)が少なくて、ビタミンもカルシウムも多く含んでおられる・・・小松菜さんです♡
皮膚や粘膜を強くするビタミンAや、抗ガン化作用、老化防止の効能のあるビタミンEを含んでおられるので、出来れば生食をするのが一番なんだそうです。
サツマイモさん、カボチャさん、そして小松菜さん。
・・・三人のお方には、夏の傷ついた肌や髪を労り、胃腸までも整えて下さる栄養素がいっぱいです♡
暑かった夏を振り返り、癒して戴きましょう。
身体を整えてから、来る秋をうれしく迎えましょうね♡ (〃∇〃)
(2014.9.1 文責・山野亜紀)
〇2014年9月のお膳
※「和心きらり(http://wagokoro-kirari.tokyo/)」より転載
・・・700以上のレシピ・旬エッセイ・ブログを現在、移築中。😅
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