「春、鰆、えんどう奈良から、やっぱりヒジキだ、日本人!」~卯月の旬(2015年4月)
●魚偏(さかなへん)に春と書いて、サワラと読みます。
サワラさんは、サバ科の魚で、今回調べて初めて知ったのですが、サワラって出世魚! ・・・だったんですね★ (^_^;)
何でも、孵化して1年目(40~50センチくらいにまで成長♡)の状態では、サゴシと。(サゴチと呼ぶ地域も★)
2年目(50~60センチ)の辺りでは、ナギ(又は、ヤナギ)と呼ばれて。
60センチを超えた処で、ようやく「サワラ」と呼ばれるようになるんだとか★ 😅💦
サワラさん、成長をすれば1メートル程にまでのお姿にもなるそう!
・・・そしてよくある事なんですが、メスの方がオスよりもガタイが良くて、その寿命の方も、オスが6年くらいで。
メスの方は、8年くらいは生きるのだとか。 👀
北海道以南なら日本では、ほぼ一年中摂れる魚なんだそうです。 (゜-゜)
●「桜の花盛りの頃に獲れるサワラ」さんは、和歌山では春の使者として、「桜鰆」と呼ぶそう。
5月から6月にかけて、産卵の為にサワラさん、外海から瀬戸内海に移動をして来られます。
なので、「春漁の魚だから、鰆と書くようになった」とも言われりしていますが、本当は「サは、(幅が)狭い」という意味だし、「ハラは、腹」を意味するのだとか。 👀
お腹が狭くて、スマートな体系からこの名が付けられたというのが、本当の処のようです。
・・・そういえば、幼少期の名前も「狭腰(サゴシ)」でしたよね。 😅💦
●ところで、お江戸の時代頃に、貝原益軒(儒学者で教育家で、本草学者★)という人がいたんですけど。
彼が出版した当時の代表作「大和本草(やまとほんぞう1709年)」にも、「馬鮫魚(さわら)あり、曰く魚太なれども腹狭し、故に狭腹(さわら)と号(な)ずく、サは狭小なり」と紹介しているとか。 👀
この本草というのは、多くの和漢の薬草や食べ物などの名前はもちろん、来歴やら形状、効能までを紹介している書物なんだそうです、へ~え。 (゜-゜)
ところでサワラさんの卵って、サバ科のモノにしては、大きいんだそう(!)
直径が1.5~2ミリ程度で、一度に85万粒(!!)も産卵をされるんだとか★ 😅💦
放たれてから一昼夜くらいの時間を卵たちは、波間をふわふわと漂って過ごし、その後で、ようやくに孵化をするんだそうです。
●そしてサワラさん、仔魚の時から「鋭い歯を持って」おられる★
なのでまずは、プランクトンをお召し上がりになりますが、少し大きくなってくると、自分と同じ大きさの魚(!)でも果敢にも攻めていくのだとか★ (^_^;)
・・・そして温かい時期には大きく育つそうですが、寒い時期には成長が止まります。 👀
そのせいなのか、関東では「冬に獲れる寒鰆」が好まれるんだそうですが、関西では何といっても、春鰆(!)
特に岡山県では、名物「ばらずし」には・・・サワラさん。
なくてはならないお魚なんだそう。 👀
なので「岡山県民の、鰆愛!」は素晴らしく、刺身や酢の物、お寿司にもするため、常にどこのスーパーや魚屋、デパートでも置いているので、「サワラの値段は、岡山で決まる!」・・・とまで、語られているんだそうです。 (〃∇〃)
●ところで、私こと山野亜紀は・・・関東人。なので「サワラ」といっても西京焼きか塩焼きがイメージなんですが★
ちなみに、このHPでも「ガーリックソテー」なんか(2014年4月)、ご紹介をしてますが、関西の方では、その料理法も数が多いんだそう。 👀
・・・鮮度の良いものは、まずはお刺身に。
それも、「サワラの皮と身の間の、独特の香りを活かしての調理法」なのだそうで、春先に香川県の辺りでこれを食べると、あまりの美味しさに「鰆の刺身は、皿までなめる」というコトワザまであるとか。 (^▽^;)
その他には照り焼き、柚庵焼きに塩焼き、西京漬けはもちろん、かぶら蒸しに押し寿司・・・などなど。
「沖すき」やら「たたき」、フライなどとバラエティー豊かに楽しまれているそうですが、香川県では鰆の卵巣を、唐墨(からすみ)にして楽しんでいるのだとか★
●・・・ちなみにこちらは、先ほどの「大和本草」でも、
「その子を干して酒肴とす、味良し、多く食らうべからず」と、紹介をしているそうですし。 👀
はたまた、江戸時代の別方の本草書「本朝食鑑(1697)」では、
「鰆は子が多く、胞(はらこ)は刀豆のサヤのようである。これを切るとツヤあり、味も甘みである。
これを乾燥させると、中華の墨の古いものに似ているので唐墨と名づける」などと紹介されているんだそうです。
●・・・うぅむ、たしかサワラさんって1度に85万粒(!)もの卵を産んでいたんですよねぇ・・・★
だからこそ、そこは卵巣だって美味しく活用しなければ(!)という処なんでしょうか。
以外に「鰆のその歴史の深さと、味の楽しみ方のバリエーションの多さ」に今回、何だかとても驚かされてしまいました。 (^▽^;)
また鰆さん、大変に捌きにくい魚なのだそう。 👀
なので、大抵はプロの手で捌いて戴いての、切り身などにして売られているんだそうです。
サワラさん、「俳句では春の季語」にもされているんですが、良質なタンパク質を多く含んでおられ、免疫力向上や、悪玉コレステロールに対抗するオレイン酸なども豊富だそうです。
そして、大変な大食漢(!)な魚なんだそう★
・・・サワラさんの、その生き方のように私たちも、貪欲に人生を楽しんでいきたいものです♡
●さて、今度は「えんどう豆」の方に参りましょう。
日本では奈良時代、かの遣唐使によって伝わったとされる・・・エンドウ豆さんです。
この方は、平安時代の「倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょ・・・つまり平安時代の和漢辞書★)」にも、「乃良末女(のらまめ)」という名前で紹介をされています。 👀
・・・紹介はされているんですけど、野菜としての認知度ではなかったよう★ (>_<)
それが、お江戸の頃になってようやく、第十一代将軍・家斉の頃の書物「武江産物志(ぶこうさんぶつし・・・江戸の風物書★)」という書物で「野菜の一つとして紹介(!)」されるようになりましたが。
この時代のエンドウというのは、若いうちに採って楽しむ「サヤ付きの、さやえんどう」だったようです。 👀
●エンドウは他の豆類とは違って、秋に種蒔きをして、越冬して春から夏にかけて収獲をします。
これは、原産地の地中海気候が、日本ではこの時期に当たるからだとか★ 👀
またエンドウ豆は、その色で「青えんどう」と「赤えんどう」に分かれます。
さらに、サヤの固さで種類も変るんだそうで、硬莢種(こうきゅうしゅ)と、軟莢種(なんきゅうしゅ)に分かれます。
そして連作をすると、収穫は激減してしまう(!)作物・・・なんだそうです★
●硬莢種は、その名の通りサヤが硬いので、まずは完熟させてから乾燥した豆を収獲するもの。
反対に軟莢種の方は、サヤが柔らかいので、まだ未熟な内に「さやえんどう」として出荷し。
完熟したら今度は、生の豆(一般には、グリーンピース★)で楽しまれます。 👀
最近は品種改良も進んだので、豆が成熟してもサヤごと食べられる、スナップエンドウなんてのも、八百屋さんでは見掛けますよね。
また乾燥させた青エンドウ豆は、例えば煮豆や煎り豆、和菓子の餡に使われたりしますが、赤エンドウの方は例えば、みつ豆や、茹で豆でも。
生の豆やサヤエンドウ、スナップエンドウなら、炒め物やら豆ご飯、スープに・・・などなど。
ちなみに、赤エンドウ豆で作った豆ご飯は、炊き上がると「豆の周りのご飯が、うっすら赤く染まって美しく、美味しい」そうです。 👀
えんどう豆さんには、ビタミンCやカロテン、食物繊維が多く含んでおられ、免疫力向上や風邪予防、美肌効果もあるそうです・・・♡
以前はエンドウ豆さん、5月が旬だったのに、最近は市場に出るのがどんどん早まって来ているのだとか★
私こと山野亜紀が住む近くのスーパーでも、生の豆が年中あるので、今一つ季節感を見失いそうですが、大事に活用していきたいお方です♡
●さて今月最後の旬食材の、ヒジキの方にまいりましょう。
ヒジキさんは平安時代の小説、「伊勢物語」の第三段で、男(在原業平)が恋人に、「当時はまだ珍しかった、ひじき藻を贈るシーン」が描かれているのだとか。 👀
「思ひあらば 葎(むぐら)の宿に寝もしなん ひじき物には袖にしつつも」
・・・これを現代語にすると、
「もし、あなたに私を思う気持ちがあるのなら、むぐらの生い茂るあばら家ででも、一緒に寝ましょう(!)
たとえちゃんとした引敷物(ひきしきもの)がなくて(袖を敷きながら)でも」
・・・こんな意味になるんだそうで、ちなみに「ひじきもの」というのは、海藻の「ひじき藻」と夜具の「引敷物」の掛詞なんだそうな★ (゜-゜)
●かように、歴史のあるヒジキさんなんですが、漢字で書くと、芽ヒジキは、その形が鹿の尾に似ているから「鹿尾菜」とか。
売られている乾燥ヒジキは黒いんですが、海の中では緑がかった褐色な処からか、「羊栖菜」とも書くそう。
褐藻類ホンダワラ科の海藻で、北海道の南部から九州にかけて、海岸の岩礁に付着して群生しているんだそうです。 👀
その根は岩を這って、冬から春にかけて発芽をしたら、波の荒い岩場の潮間帯の辺りを根城としてお暮しになり、生長をすればその太さは3~4ミリにまでに★
その高さは、0.5~1メートルほどにも育つのだとか。
●初夏になるとヒジキさん、腹を決めて体内に精子と卵をお作りになり(!)
なんと有性生殖をするのだそうで、その生育は旺盛と資料にあります。 (゜-゜)
また有名な処では、1988年に厚生省が初めて行った「食物繊維含有量調べ」で、ヒジキは堂々1位に!
「ひじきを食べると、長生きをする」 と古くから言われている事から、今ではもう日付が変りはしたものの、もと・敬老の日であった9月15日が「ひじきの日」と。
・・・三重県はヒジキ共同組合が、制定をしたんだそうです。 ( ̄▽ ̄;)
ちなみに、ヒジキの収獲期は「春」。
そこを過ぎてしまうと、今度は硬くなってしまい、食用には向かなくなるんだとか★
●刈り取ったヒジキさんなんですが、まずは素干しを致します。
それから、伊勢方式と呼ばれている様式で、「真水を加えて、蒸す方法」か。
それとは別に、「真水を加えてから、煮沸する方法」の2通りがあるとか。 👀
どちらも、上記の方法で渋みや色素を抜いてから、天日乾燥をします。
・・・この作業をしないと、生では渋くて、とっても食べられない代物なんだそうです★
●乾燥したヒジキは、茎の部分で作った「長ひじき」と。
ヒジキの葉の部分で作った、「芽ひじき」、または「米ひじき」、「姫ひじき」。
そしてもう一つ、通常は春に若芽を収穫する処を、冬に収穫してしまうという「寒ひじき」とで3種類あるそうです。 👀
ちなみに、スーパーでよくパック詰めで「生ひじき」と銘打って売られているのは、乾燥品を蒸したモノ(!)なんだそうです。
●ヒジキさんは、海藻なので。
カルシウムはもちろん、マグネシウム、鉄に食物繊維を多く含んでおられるので、妊婦さんや授乳婦さんにも、おススメ!
またヒジキさん、「ビタミンDが多い食品」と組み合わせると、ご自身が持っておられるカルシウムの吸収が良くなりますし。 👀
「タンパク質やビタミンC」と組み合わせれば、鉄分の吸収を助けるレシピに♡
また乾燥ヒジキを、どうしても早く戻したい場合は、50度までのお湯(!)で戻して欲しいそう。
ここを超えてしまうと、大事な栄養分が流出する原因になってしまうのだとか★ 😅💦
・・・食物繊維の宝庫、脂肪燃焼効果のあるフコキサンチンも含むヒジキさんです。
これから薄着になっていく・・・今からの季節、大事にして共に歩いて行こうではありませんか。 (〃∇〃)
(2015.4.1 文責・山野亜紀)
〇2015年4月のお膳
※「和心きらり(http://wagokoro-kirari.tokyo/)」より転載
・・・700以上のレシピ・旬エッセイ・ブログを現在、移築中。😅