「江戸前でアサリか、ウドは原産、ねぇ日本人」~皐月の旬(2014年5月)
●NHK「コメディー、お江戸でござる」でコメンテイターをしていた、杉浦日向子さん。👀
その方の著書「一日江戸人」によると、日本原産の野菜というのは・・・なんと(!)
フキ、セリ、ウド、ワサビ、ジュンサイ、ゼンマイ、ワラビの、たった7種類のみなんだそうです。
今や、八百屋やスーパーで売られている野菜のほとんどが、外来種★ (^_^;)
いかに日本の食が、外国勢に押されまくっているかが判ります・・・★
さて、日本原産・旬食材のウドなんですが、漢字で書くと、「独活」とも書きます。
別名、「つちだら」とも呼ばれているそうで、茎はもちろん、芽の部分も食します。 👀
江戸の頃のウドなら、太陽を一杯に受けて育った、緑色をした野生の山菜ウドだったかと思います。
ところが今、スーパーで良く私達が見かけているのは、栽培物ばかり。
こちらは陽に当てるのは、発芽してからほんのちょっとの時間のみ(!)
後は地下ムロで、80センチ大になるまでを日蔭者として、育てられているので、色白な処から(?)
「軟白ウド」と呼ばれています。 😅💦
●そして最近、スーパーでは「山独活」と 銘打っている商品があり。
・・・下半身は白いけれども、頭の先端だけが緑色のこの独活は、上記の軟白ウドの「葉の部分だけを、太陽に当てて育てたもの」だとか。 👀
本当の天然のウドは、スーパーなんかでは流通していないようで、この本家本元、天然モノのウドは、実はウコギ科の多年草。
江戸の頃では、「独謡草」とも呼ばれていたそうなんですが、これは風が吹かなくても一人で動く植物だから。
・・・つまり、茎が柔らかいので、いつもそよそよとしている植物・・・という事らしい★ ( ̄_ ̄ i)
頭が出て来たと思ったら、育てば2~3メートルの大きさにはなるのだとか★
もはや、ここまで育ってしまうと固くて味も悪いので、食べるのにはまず向かないし(!)
かといって、木材に使用するには(柔らかくて)これまた使えない事から、「ウドの大木!!」というコトワザができたとか。 (^▽^;)
●さてウドは、調理する時にはまず、酢水でアク抜きをしますよね。
ところが前者の日蔭者、「軟白ウド」の方は、アクも少なくて、捨てる部分が殆どないのだとか。 👀
でも日に当ててしまうと、どうしても固くなるのだそうで、保存する時には新聞紙などに包んで冷蔵庫にしまうのがベストだそう。
ちなみに、江戸の料理書によると、当時はウド沼田和え(ぬたあえ、つまり酢味噌和え)や、焼き物(うど焼き)にもしていたよう。
そんな・・・ウドは、ジテルペンアルデヒドなる、聞けば小難しい成分を含んでいるのですが、これが血行を良くして疲労回復にも効果があるのだとか。
疲れにくく、抵抗力を高めるアスパラギン酸も豊富に含んでいて、またクロロゲン酸という抗酸化作用が、これから日差しの強くなる季節にはメラニンの抑制、発癌抑制にも効果があるのだとか。 (‘_’)
晩秋から冬にかけて出荷する「寒ウド」が終わって、これからは「春ウド」が3月から5月に向けて出回ります。
江戸の頃は、痛風抑制や中風(つまり、脳卒中)の防止に効くとされていて。
皮膚のかゆみ、手足の引きつりを治す・・・などなど。
どちらかというと薬草的な役割も期待されていたようですね。 (〃∇〃)
●さて、いよいよ5月です♡
ぼつぼつ、潮干狩りなんてバスツァーが始まる頃ですから、今月は「アサリ」を旬食材にしてみました(!) ヾ(@°▽°@)ノ
・・・ところが、このアサリ。
もちろん、江戸の頃には目一杯に食べられていたのですが、あんまりにも日常に過ぎる食材(!)だったようで、私こと山野亜紀が参考にしている料理書には、こちらのレシピの紹介がありません・・・★ (^_^;)
なんでも、この料理書に記載されているレシピは、杉浦日向子さんの著書によると、今でいう「クッキング★レシピブック」というイメージではなく。 (゜-゜)
時の粋人が、思い付きだけで(試作もしないで)紹介している(!)レシピが多いんだそうです。 😅💦
・・・言われてみれば、私もですね。
こういった料理書の中のレシピを読んでは、理解に苦しむといった思いを抱いた事があります・・・★ (-“-)
●たとえば「煮貫(にぬき)豆腐」です。
豆腐を長時間茹でて、すだたせる。
・・・こうすると調味液がよく染みるそうなんだけど、ホントにこれで美味しいのかなぁ・・・とか。 (>_<)
はたまた、「饂飩豆腐」。
豆腐をすって、紙に薄く塗って蒸してから、水に漬けて紙をはがし、饂飩のような成形するそうだけれど、はっきり言って、ここまで手間をかける意味があるのだろうか。 (゜-゜)
・・・豆腐を饂飩サイズに切っただけじゃ、ダメなのかしらと悩む事も多かりし。 (^_^;)
●話が反れました、さてさてアサリさんです。
私こと、山野亜紀は知らなかったのですが、アサリって、育てば6センチ程の大きさになるのだとか★ 😅
・・・そういえば、「大アサリ」なんてのが、浜で焼いているのを見かけましたが・・・実はこれはウチムラサキという、全く別種の二枚貝なんだそうです。
アサリは日本全国、どこでも獲れるんだそうですが、日本海よりは太平洋側に多く生息しているのだとか。 👀
湾内の干潟や、砂地などで生活。
砂に潜って外敵から身を守り、水管を伸ばして、海中の植物プランクトンや浮遊有機物を濾しとって、お召し上がりになっているそう。
このアサリの貝殻は個性的で、同じ模様の貝はまず、存在しないのだそうです。 (゜-゜)
●このアサリさん、頑張って年中産卵をしているそう(!)
旬は、春と秋なんだそうです。
水温が良い時期に、「産卵するほどの体力(資料には、肥満度とあります★)」の高い方が、トライされているらしい。 (^_^;)
ただ、最近はよくテレビなんかで見掛けますが、もともとの天敵のヒトデやワタリガニ、鴨などの鳥類の他にも、最近ではナルトビエイという大食らいの方がこの・・・アサリさんを貪り食っているようで(!)
もちろんそれだけでなく、1980年代を境に漁獲量が低下。
その原因は、「乱獲」の他に「生息域の埋め立て」や、環境の低下が一役買っているようです。 (-“-)
●そんな・・・アサリさんですが、濾過して餌を食べているので、水質浄化機能が期待できるのだとか。
こんなに小さい身体なのに、成貝ともなると1日に10リットルもの濾水(!)をして下さるそうで、今や水質浄化と、漁獲回復の一石二鳥を狙った干潟再生業者が増えているんだとか★
アサリは鉄分やビタミンB12、カルシウムや亜鉛など多く含み、貧血気味の人や妊婦さんには良い食材のよう。
味噌汁やパスタも良いけれど、塩分さえ気をつければ、佃煮の方が(煮詰めるから)効果が高いとか。
タウリンも多く含んでいて、これは心臓を強くしてくれて、肝機能の促進や血液サラサラ効果、糖尿病の抑止や眼精疲労にもにも良いのだとか。
・・・なんだか、大昔からこれらの食材は、日本人の心と身体を守ってきたのかなぁという気が、してきました。 (〃∇〃)
(2014.5.1 文責・山野亜紀)
〇2014年5月のお膳
※「和心きらり(http://wagokoro-kirari.tokyo/)」より転載
・・・700以上のレシピ・旬エッセイ・ブログを現在、移築中。😅