小田原文化財団 江之浦測候所② | 自然とアートの融合
2023年12月16日
前回からのつづき。
一年で最も日照の短い冬至は、一年の終点でありまた起点。
この特別な日は死と再生の節目として世界の古代文明で祀られてきたそうです。
この施設は、日が昇り季節が巡ることを人類が意識した古い記憶を蘇らせるために構想されたとのことです。
冬至の朝、相模湾から昇る陽光は70メートルの隧道を貫き、対面して置かれた巨石を照らし出す、のだそうです。
冬至の朝、ここにいて陽光を拝みたいですよね。
隧道の中ほどにある採光のための井戸。
とても幻想的な光景。
止め石が置かれた風景がなんとも美しい。
昭和30年代、蜜柑栽培が活況を呈していた頃に建てられた道具小屋を整備したもの。
中には昔の化石等、杉本さんのコレクション?が展示されていて楽しいです。
珪化石とも呼ばれるそうで、大昔に土砂崩れなどで地中に埋もれて化石化した樹木。
これは6,500万年前くらいのものと思われるとのこと。一部が水晶化していて透明感があってツルツルしています。半分に切断してベンチにしたそうで、もちろん座れます。
2022年春に、ここに奈良の春日大社より御霊を勧請したものとのことです。日曜美術館では、その時の儀式の様子が放映されていました。
春日大社の分家というような位置付けになるのでしょうか。
現存する最古の春日造りの姿を残す奈良•円成寺の春日堂を採寸し写したものとのことです。
ここが展望台になっています。
もともとは北大路魯山人が信楽の旅の途中で買い求めたもので、その後小林秀雄が鎌倉の自宅の庭に据えて、その緋色を楽しんだそうです。
雨の日にその緋色が映えるとのことで、今度は雨の日に見てみたいものです。
いまだにこれを書きながら余韻に浸っています。
ここはまだ完成途上で2025年にも新しい施設?が出来るようです。
日曜美術館で杉本さんが話していましたが、5,000年後にここがどのような形で残るかというのが完成形なのだそうです。
5,000年後にちょっとだけで良いのでこの世に戻ってきて、ここがどんな感じになっているか眺めてみたいものです。
おわり
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