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夜記(よるき)(10)

 目が光でやられてしまうくらい炎を見つめると、炎の周りにうっすら虹色の光があるのが見えて、胸の内が良い気分で満たされるのを感じるなら、太陽も炎もわたしたちの味方だ。

 10月15日 金曜日 晴れ 公園に蚊が多い日

 50枚のノート一冊では足りなくなってしまう。本を無茶苦茶にしたかったら、150通から200通は書いて、紙になったときに君が眠りの呼吸の中で破り捨てて、読み飛ばして、あるときに目を止めてくれる。

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 夢が義務になってくる朝と昼。わたしは嫌そうにしている。
 そのかんに君は自分の好きな本そのものになりたがっている。贅沢の旅に心を躍らせている。その逆の感情を味わっている。
 わたしのすることとは何の関係もなく。2021年とは限らない何月何日の何時かに。
 紅を唇には差さないで、わたしはわたしの体格に似合った服を先に手に入れた。森茉莉さんの本を読んだからかもしれない。
 わたしはわたしの真面目になっているときの顔が好きじゃないけれど、そんな人この世のどこかにいるのかしら。

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 校庭で、どうして一人のときほどはやく走れたのかを、わたしは知っていました。
 転ぶのが怖くなかったから。転ぶことが家族の恥になることから先に学んで、あまり賢くないけれど、恥になるより誇りになりたくて変なことをする日があった。
 わたしたちは自分をかなぐり捨てられるものが限られていて、それを見つけたときは転ぶことも気にせずに最も疾く走りたい。朝に夕に意を決していました。
 明日は朝から自分を録画して、粗探しをして育てるの。君に会えた日のために。


 十日目。終わり。

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蓬野愛
難しいです……。

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