夜記(よるき)(2)
10月7日木曜日 霧雨 書いた直後、関東地方は強めの地震の夜
棚から落ちるものの音は、当たり前の気持ちになる。
壊れる生活と、簡単に立て直せるわたくしの小さな生活の音がして、建物全部が壊れて、斜めになって、わたしが何かの下敷きになったら、それも当然の揺れがする。(書き足し)
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都会の道は夜以外、せわしなく動いており、なぐさめられる心地がします。歩道橋の下に植生があり、つぼみしかない中に間違って咲いたような花が一輪、完璧に咲いている。あなたはどうしたの。
わたしも間違って咲いている気がするときがある。あなたのように、咲いてもいないような。
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石鹸で手を洗っているのは、手を石鹸の香りにしたいからに他なりません。
午後九時の少し前になると、決まって呼吸が止まるほど胸が痛むようになり、わたしにも理由がわからない不思議な。それは深い悲しみに似ているけれど、ただどうか、無念のまま散らないで欲しいとあなたへ言い換えると、痛みが薄らぐから言い換える。
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紐に結び目をつくるときは、1000年先も解けないくらい強く結ぶ癖があって、ちぎれたときのことはいつも少しも考えなかった。
二日目。終わり。
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難しいです……。