
夜気(よるき)(6)
友達が強くなっていた次の日はうっすら夜明けから始まり、さっきまで剽軽だったわたしも、朝日に顔を染めて青白く冷たい顔をしている。
10月11日月曜日 暑い晴れ
きっとあの人もあの人もそうなのだよ。朝は。今日のわたしの覚悟をするのに冷たい顔して自分を見ているのですよ。
だからわざわざ冷たい顔をして君を見る用事など本当はないのだけれど、朝はその冷たさと同じ色の顔になってしまうものなの。
✳︎
話をする場所を求めて最初は公園や駐車場にいたかとおもうと、部屋の中では自分の世界をつくろうとしている。
いつかは箪笥の上にスピーカー。小さな書き物読み物用の台。お下がりのベッド。本。積み重ねようとしても、まだ居場所も世界もない子どもたち。
何度も録音をやり直すビートルズの音を聴いて、ナメクジ避けの飲んではいけない水(塩化カルシウム溶液)の横で、いつか人生の朝が来るまで湿っぽい暗い部屋でも心まではジメジメしないと笑って話をします。
✳︎
小さな光っていない星々の一つよ。怠けて生きたわけでもなかろ。涙雨を降らせようとする人の言うことを聞きすぎた日もある。そんな日は、どんなに陽射しが強い日も日陰のように笑雨もの。
君のこころの行き場はどこに決めましたか。
ひっそり決めたのちは、生まれてしまったものの命。見つけてもらう前からずっとずっと星であり物語が続いている。
六日目。終わり。
いいなと思ったら応援しよう!
