
オトナと言論欲|2025.01.16
Onion Games『ストレイチルドレン』
ひとまず1周目クリア。
1997年発売のメタRPG、アンチヒロイズムの傑作とされるゲーム『moon』の続編的作品。
行方不明の父をさがす、犬の姿の少年主人公が『moon』を思わせる『ミカヅキ』というゲームに吸い込まれ、物語は始まる。30年前、父は『ミカヅキ』を完成させた直後失踪し、ゲームは発売禁止になった。長らく放置され、荒廃したその世界のフィールドを散策していると「運命の時」が訪れ、唐突に世界が崩壊してしまう。謎の別世界で目を覚ました少年は、その崩壊によりバラバラに散逸した『ミカヅキ』世界の「勇者」の体のパーツを回収する冒険に旅立つ。
敵は「オトナ」と呼ばれるモンスターたち。明言されないから推測も混じるが、過剰な熱血指導で生徒が不登校になった体育教師、仕事にかかりきりで家族を失ったサラリーマン、偏執により孤立した劇作家など、「オトナ」は現実社会に実在するモンスターの戯画だ。
もうひとつの特徴は、普通のRPGみたく戦闘でオトナを倒してもいいが、「ことば」というコマンドを選び、適切な順番で適切な言葉をかけることで「オトナ」を「じょうぶつ」させるのを目指してもいい、という点だろう。
この非戦闘性は『moon』ぽい。が、心を病む「オトナ」を「ことば」でカウンセリングして「じょうぶつ」に導く、というのは、なかなかに危うい行為だし、説教したい、論破したい、ひとこと言いたい的な言論欲(?)と裏表な気もして、やや乗り切れない部分があった。
いっそゲームと割り切って物理で叩くほうが潔い気もする。というか、実際ほぼそうした。
なのでちゃんとクリアした感はない。トゥルーエンド(あるか知らない)見たらまた感想変わりそう。
あとやっぱ『UNDERTALE』っぽい。
ゲームしてるくせに?と思いながら聞いてほしいけど、最近とても忙しい。「オトナ」化しないようにほどほどにする。