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#13|料理の話|2024.10.24

坂口恭平『新装版 cook』

よんだ。

2018年にでた同名の料理本の新装版。著者がつくる日々の料理の写真に、手書きの一言コメントを添えたハンドメイド感溢れる料理本で、読んでてたのしい。

プラス興味深いのは、料理が著者の「躁鬱病」の治療にそのままなっていく点である。

それは「料理」という行為のふたつの側面と関係している。つまりひとつに、料理は超根源的かつ超身近な「創造」で、もうひとつに、料理は「毎日」する必要がある作業だということである。料理さえしてれば(上手く作れたらなおさら)何か作ったという創造的な満足が得られるし、「明日の献立はどうしよう?」という想像が、ひとまず今日を生きのびる前提になる、ということみたい。

でいうと、コミック『家が好きな人』で知られる井田千秋の待望の新刊『ごはんが楽しみ』はまさに、その料理というもののワクワク感にフォーカスした一冊だ(『cook』の感じとも、かなり通じてると思う)。

あと、料理で言うと、Netflixの料理リアリティーショー『白と黒のスプーン 〜料理階級戦争〜』が滅茶苦茶おもしろい。

高級店のシェフから給食のおばちゃんから、ようは料理人としての「階級」が違う100人の料理人がごちゃ混ぜになって戦って、誰がいちばん料理がうまいヤツか決める、っていうグルメ漫画×バトルロワイヤル的な番組。

さすが韓国の番組だけあり、副題の「階級」という要素が、作品随所でじわじわ効いてくる。『逆転のトライアングル』とか、『スノーピアサー』とかの「階級」系エンタメのあるあるがリアルに起こる。

結構前から「感情」とか「人間性」をエンタメ的に消費する系のリアリティショーは、キツくて見れなくなってたけど、これはそこに一定の節度があるので見れた。あくまでも主軸が、調理という「技術」の話であり、料理という「作品」の話だからだと思う。そういうのを、もっと見たい。

料理の話もろもろ。おわり。

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