旅行の所感と人生
つい先日、韓国旅行に行ってきた。韓国へ行ったのは初めてだった。韓国に関心を持ったのは、K-POPのアイドルを好きになってからだ。韓国のドラマも時々見る。旅行自体にそこまで興味はないが、推しがどんな環境で育って仕事をしているんだろうということに興味があり、行ってみようと決心した。
ドラマを見る限り、韓国に対しては自己主張が強くてキツそうな人が多いというイメージを漠然と抱いていた。なんとなく物言いが強く感じる。私は基本的に低いトーンで淡々と話すタイプだし(好きな話題になると早口で捲し立てることはある)、何事も内に秘めるタイプの人間なので(大人になってからは特にそう)、合わなそうな気がすると思っていた。
実際に行ってみたら、思っていた以上にずっと快適だった。電車も割と静かだし、道は広くて歩きやすいし、東京の都心部より人がごった返している感じもしないし、飲食店も広くてゆったりしている所が多かった。(場所や時間帯によるだろうし、あとは単に東京に人が多すぎるだけかもしれない。もちろん繁華街は狭い所も割と多く、人も多いなと感じた。)
人に関しても、思っていた以上に優しいと感じた。私が日本人だと分かって、頑張って日本語で話しかけようとしてくれた飲食店のお兄さん(彼は彼で日本語を使いたい、使ってみたいという意志を感じた)や、マートでお土産を悩んでいるときに私の拙い韓国語を理解しようとしてくれた韓国海苔売り場のおばちゃん(とても笑顔で接してくれて久しぶりに孫の扱いを受けた気分だった)、デカいトランクを引いて地下鉄のホームに降りるエスカレーターに乗ろうとしたら、そこにエレベーターがあるよと教えてくれたおじさん(地下鉄の入り口を通った時からずっと様子を見守ってくれてた)、、一生忘れません。(急に小学校の卒業式の答辞みたいな締め)
もちろんクールな人もいたけど、そういう人たちの中にも優しさみたいなのを感じた。コンビニはいつ行ってもレジに人がいないし、呼びかけても「ネ〜」とだけ軽く言ってすぐには来ないけど、お会計の時は物腰柔らかい印象を受けた。マートのレジのおばちゃんは物言いがめちゃくちゃキツいし、商品の扱いがかなり雑で心が痛んだけど(Fの人でしょうか)、こちらからは何も言ってないのに「パスポート出しな」って向こうから言って免税の領収書出してくれた。優しさを行動で示してくれるタイプの人間、大好きなんですけど…。
日本に帰ってきてから、いつもの日常に戻った安心感もあるけれど、なんとなく物寂しさも感じる。ここで一生暮らしていくんだという絶対的な信念のようなものもありながら、本当にここで一生終わらせて良いのだろうかという不安定な疑念や不信のようなものも時折感じる。
私はずっと海外で暮らしてみたかった。学生の頃は留学もしてみたかった。でも叶わなかったし、当分叶いそうにないとも思う。母親から猛烈に反対されてきたし、今後も反対され続けるのが目に見えている。母(スーパーISFJ)は、普通の人生を歩んでほしいと思っている。あまり外の世界に出ることを許さない。いい大学に入って、公務員になるか大企業に勤めてほしいと思っていたし、今は早く結婚して、できれば子供も産んでほしいと思ってる。たくさん勉強して、お金はしっかり貯めて、苦労のない人生が理想だ。母は、自分が若い時に苦労したからだと言う。事情は知っているので、母の気持ちや言い分は否定はできない。
私は幼い時から親の言うことをよく聞く子だった。もちろん時々反抗するようなことや、親の敷いたレールから外れた道を選ぶこともあった。けれど、それは本当に稀なことだったと思う。両親共働きで、末っ子の私には、私が好きに生きる選択肢は限られていたと感じる。もちろんそれだけが要因ではないけれど。親が悲しむことはしたくなかったし、今もしたくないと思っている。人生の優先順位で何よりも譲れないことだ。
その一方で、早くこの見えない呪縛から解放されたいと思っている。結婚願望もないし、恋愛さえももう面倒くさくて仕方ない。誰かに愛されたいとも思わない。仕事もいつまでこの仕事を続けるのだろうと思うと頭が痛くなるし、会社のために何かなりたいという気持ちは全くないのに、そんなフリをするのも疲れた。でもこんなのも今だけの感情なのだろうか。こんな感情を抱くことさえ贅沢なことなのかもしれない。一時的に感情が昂っているだけという可能性もある。苦労の少ない人生を選ぶのは楽だろう。
高校生か、少なくとも大学生の頃からこんな葛藤をし続けている気がするが、いまだに答えが見つけられずにいる。このnoteだって、こんな同じような内容ばかり投稿している。まるで進歩がない。常に人知れず足掻いてるだけだ。でも、親が悲しむくらいなら、私が一人足掻いている方がましだと思って、ひとまずこの場に留まろうと思う。でもきっと、これも言い訳なんだろうか。
おわり
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