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ツナグ ツナゲル +hanaネットワーク GLOWER'S FILE ⑥〜日本一とも言われるガーベラで、世界を明るくする後田花園 後編
前回ご紹介した、ガーベラの生産農家である後田花園さん。花を育てるだけでなく、人とのつながりも大切にされています。引き続き、ガーベラを育てる時の後田社長の想いや取り組んでいることなどを伺いました。
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■自分たちが育てる花への心意気
Q:後田花園さんのガーベラは、購入した時についている花のキャップに花園名のロゴがプリントされていました。他ではあまり見かけないように思うのですが。
大手の花園さんでプリントされているところはたくさんありますが、個人の花園では少ないのかもしれないですね。ひとつは、自信を持つようにするためです。自分の花に自信が持てるようするためには、ご指摘もしてもらわないと変化しないので、お客様に当園の花だとひと目で分かっていただけるよう農園名を書いています。
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Q:いろんなお声が届いたり大変なこともあると思うのですが、それでも続けていられる秘訣などはありますか?
辛かったことはたくさんありますよ〜(笑)。けど、くよくよせずに前向きにといつも考えているので、一時的に落ち込んで、次の日にはサッと切り替えるようにしています。
日々の作業の苦労はものすごくたくさんありますが、いいものができた時に全部かき消されるんですよね。そうでないと、多分続けていられなかったと思います。それと、お客様がうちの花を買って「きれいだね」と喜んでくださるのもありますね。そう言って喜んでいただけるからこそ、このしんどい仕事でも続けられています。
Q:後田花園さんならではの特徴はありますか?
茎をしっかり作ることもですが、鮮度が少しでも保てるようにうちではなるべくハサミで茎の途中を切らずに出荷しています。
Q:採花の時にハサミを使うのではないのですか?
ガーベラは花茎の根元からぐっと力を入れると、抜けるんですよ。だからハサミは使っていません。抜けたところが水あげの先端になるんですけど、切るとどうしても導管を傷めてしまうこともあるので、この大切な先端部分を切らないほうが日持ちしているように思います。
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Q:花業界の方から「後田花園さんの花は日本一のガーベラ」だと言われるほどの評価や人気の高さは、質が良くなるよう心がけながら丁寧に育てられているのはもちろん、そういう前向きな想いからもきているのかもしれないですね。
やはり、するなら一番になりたい!という気持ちは昔からあって品質向上もしっかり心がけていたので、もしそのように認めていただいている部分もあるなら嬉しいです。そう認めていただけるようになれたらと、ここにくるまでに従業員の指導や意識の徹底はしっかりしてきました。そこが疎かになったりお客様に届く時にきれいな状態でなかったりすると、いくらハウスの中で見事に咲いていても意味がないと思いますから。お手元に届いた時にきれいだと思ってもらえるような花づくりを徹底したいと考えています。
Q:いろいろと受賞もされていますよね。
ありがたいことに、毎年品評会に出したら何らかの賞をいただいていますね。
■広く目を向け、さまざまな価値観を取り入れて。
Q:それだけ質の高い花を育てる後田花園さんの、従業員さんは何人ぐらいいらっしゃるのですか?
外国人実習生も含めて、今は12名です。みんなで朝から花をとって、夕方までにスリーブなどラッピングをして出荷準備をする毎日です。
Q:外国人実習生を受け入れられているのは、何かきっかけがあったのですか?
人手不足で、外国の方にも働いていただけるなら、という考えもありました。それに、ある方から「性別が違えば価値観も違うように外国人が入ってくると価値観も変わるから、いろんな人と触れあっていくのは大切だ」という話を聞いて。会社として今後いろいろな販売や企画していくにしても、経営者としても、多様性があったほうが可能性はもっと広がると考えて、外国人実習生を受け入れることにしたんです。
Q:どこの国から来られているんですか?
今は主にベトナムからですね。コロナ禍で行き来がしにくくなったので現在3名ですが、新たに求人も出しています。
Q:その実習生の方とイベントに参加されていた時のことが、新聞で取り上げられていましたね。
コロナで帰国できない子たちのために、イベントに参加しました。県産花をPRするためでもありましたが、働きに来ている外国の子たちが抱えているストレスをちょっとでも変えられるようにという2つの目的からの取り組みでした。
Q:長崎県産のお花を使った飾りで美しくヘアアレンジして、写真を撮られていましたね。
とても喜んでもらえました。華やかな花などできれいになるのは嬉しいみたいですね。うちに来ているベトナムの子たちは、きれいなものやカラフルなものが好きで、きれいな景色や花やファッションの写真もよく撮っていますし。
Q:障がい者の方もいらっしゃるんですよね。
常時ではないですが、繁忙期などに声をかけてグループで来ていただいています。価値観や発想が新鮮で、こちらも刺激を受けて勉強になっています。私もとにかくいろんなことを経験してできることは吸収して、常により良くなるよう変えていけたらと思っているので、勉強になるのはありがたいです。
Q:特別に休憩室も作られたとうかがいました。
特別というか専用の休憩室とトイレを調えたんですけど、人それぞれ休憩のスタイルは違うので、3つ目の休憩室を作りました。こうだったらいいのにということを目の当たりにしたら、随時改善していくようにしています。
Q:広く、いろんなところまで意識されていらっしゃいますね。
ガーベラを成育する環境ももっと整えていきたいですし、もっと多くの方にガーベラをお届けして楽しんでいただきたいですし。長持ちしてこれまで以上に鮮度や品質も維持できるようにもなってきたので、日本だけでなく、世界にももっと出荷を増やしていけたらと思います。
Q:輸出もされていたのですか?
コロナ禍前は、数ヶ月程輸出する試験をしていましたが、今はストップしています。
Q:販売されていた国は?
香港、ドバイ、アメリカ(N.Y.)、オーストラリア、台湾、中国あたりです。国によって生産している色が違うので、珍しい色目というのもありますし、Made in Japanの花は人気でした。今はちょっと、ぐっとがまんして頑張らないといけない時なのかなと思いますが、先を見据えて日持ちするものや面白いものを作って、世界の流通が再開するようになった時にはいつでも動けるよう、前向きにしていきたいですね。
そうすれば、雇用も生産性も、またどんどん戻ってくるんじゃないかなと思います。
■みんなが嬉しく、良くなるように。
Q:+hanaのことを聞かれて、どう思われましたか?
時代が変わってきたなと思いました。ガーベラは品種によっては1/4ずつ色が違うものやツートンカラーのものもあるんですけど、単色での出荷を求められることが多かったんです。それが近ごろは変わった花として「これかわいい」「これほしい」と認めてもらえるようになってきて。今までは、きれいで新鮮なのに仕方なく廃棄しないといけなかったものが、+hanaさんのように「これでいいんだよ」と買っていただけることもここ数年で増えてきたので嬉しいですね。お互いにメリットがあるものになればと思います。それが循環して、私たちもまた良い生産をしようとがんばれますので。
Q:+hanaへ期待することや求めることはありますか?
このままどんどんしていっていただけたらと思います。+hanaさんのように、みんなが嬉しくなる仕組みや想いが他の生産者にも循環していけば、さらにいいものを作ろうとしてもっと価値が高いものに変わるだろうし、生産者の意欲ももっと高まるだろうし。花の生産者全体がそのように盛り上がっていって、生産者もお客様もみんなが元気になれるといいと思います。
Q:今後の目標や挑戦したいことなどは?
ああしたい、こうしたいはたくさんありますが、まずは、いま徐々に進めている農業生産者が自立できるベースづくりや雇用形態づくりを充実させていきたいですね。まずはうちに携わってくれているスタッフからで、そこから企業並みになっていけるように努力できればと常に思って動いています。以前オファーをいただいていた海外での生産も今後実現できたらいいなとも思いますし、海外への輸出も再開できると嬉しいですね。そのためにもいろいろ試験をしながら、技術力も生産力も伸ばしていけたらと思います。
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謙虚な中にも、ガーベラづくりや、そこに関わる人たちの環境づくりにも熱い想いを注ぐ後田社長。広い視線の先は、海外にも向けられています。パッと大きく花が開き周りに元気や明るさを与えてくれる後田花園さんの美しいガーベラは、今後もみなさんのもとへお届けする予定です。届きましたらぜひ「少なめの水」に生けて、長くお楽しみください。
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+hana クッキー(プロフィール)
『あなたの楽しみは花のために、花の魅力はあなたのために』をコンセプトとし、季節に合わせた素敵な花を、手ごろな価格でご自宅のポストにお届けするサステナブルな花の定期便「+hana(タスハナ)」の、リーダー&立ち上げメンバー。実現したい思いや夢を中心に、花のあるくらしや魅力、花の世界にあるさまざまな情報をお伝えします。