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低温ヤケドというのは

低温ヤケドというのは本当に厄介で、2月に水ぶくれになった跡が今でも足首に残っている。寒さのため別段病院に行こうともせず暫く過ぎたのだが、春先になってふと、足首が見える服を着る季節だというのにこれでいいのかと気づき、近所の皮膚科に行ってみたという次第である。
「何でやったんですか?」と女性の先生は尋ねた。「あの…湯たんぽで」「ああ〜」「湯たんぽ入れて、その前にホットワインを少し多めに飲んでしまって、それで」「湯たんぽ。外せないんですね」「はい、大好きなんです」「そうかあ〜。でもよくここまで自力で治りましたよ」先生は少し笑いながらも塗り薬を出してくれた。3回程傷跡を見せに行き、春もだいぶ過ぎた辺りで、もうこれ以上は自然治癒だろうなと思ったところで通うのをやめた。
あれから更に数ヶ月が過ぎた誕生日の今夜、久しぶりに足首を見ると、まだまだ色はくっきりで、綺麗とは到底言えないが、表面的にはかなり滑らかにはなってきた。暑い盛りなので、余り気にせずに足首を出して過ごしてもいる。
昔のキズっていうのはこんな風に、隠すことなく晒すことで癒えてくるものなのかも知れない。仮にそれがどこについたキズでも。

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