season6 4話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
4.『お熱い勝負がお好き』
スクエアのバトルコートに戻ったヨーコとアカマツ。
「チャレンジも終わったし、お次は四天王勝負だね! オレと戦う下準備は整ってるかな?」
「ほうですね、すみませんけど、もう少し時間もらえますか?」
首を横にふるヨーコ。
「わかってるって! 料理もポケモンも下準備が大事だからね!」
「ありがとうございます。すぐに戻ります」
ピクニックでポケモンウォッシュして甘いサンドウィッチを振る舞うヨーコ。準備は整った。
バトルコートに戻り、
「お待たせしました」
「ヨーコ! 下準備は整ったかい!?」
「はい!」
「あいよっ! 中火で燃えてきた!」
位置につくふたり。
「さて……と、ヨーコ! キミってスグリと因縁あるみたいだね」
「ええ、まあ」
「カキツバタ先輩も、なんかたくらんでるみたいだし……」
アカマツ、フライパン手に憤る!
「そーゆーの! マジでめんどくさいよ!! 言いたいことあるなら直接言えっての! やれっての!」
「はあ、まあ確かに……」
勢いにおされてうなずくヨーコ。アカマツ笑いながら、
「オレは細かいこと考えるの苦手なの! 戦いたいから戦う! それでいーじゃんか!!」
アカマツ、ヨーコをまっすぐ見て、
「サバンナエリア、ほのおの四天王アカマツ! 勝ちたいから勝たせてもらうよ!」
「うちも勝ちます!」
アカマツ、フライパンでボールを器用に動かしファイアローとヒートロトム出す!
「さあて調理……、違った勝負開始だ!」
「ぴっかりさん、ツノじろう! あんたたちに決めた!」
こちらはぴっかりさん&ツノじろう!
ツノじろう、てだすけでぴっかりさんをサポート態勢。ロトム、鬼火でぴっかりさんをやけど状態に。
しかしめげずにぴっかりさんいかづちおろし! 羽で塞がれたため倒れなかったが効果抜群!
「ウゲーッ!? 見たことない技! そんな技喰らったら鎮火しちゃうよ!」
続いてツノじろうがいわなだれで畳み掛ける。ファイアロー倒れる。しかしロトムのオーバーヒートをくらいぴっかりさん倒れる。
「ありがとう、ぴっかりさん」
交代でポンさんかまどの面バージョン。アカマツはファイアローの代わりにバクーダ。
ポンさんじごくづきでバクーダに一撃、いわなだれで畳み掛けロトム倒れる。ついでに急所に当てた!
*
「あれ? すっげーダメージ喰らってる!? なんでだ!?」
「一重にうちの仲間の腕がええからです!」
「なるほどー!」
アカマツ、めげずにブーバーン出す! ポンさんはじごくづきでバクーダをしとめるも、ブーバーンのサイコキネシスでツノじろう大ピンチ! しかしギリギリで立ち、いわなだれで倒す。
最後、ナッシーとバシャーモを出すアカマツ。
「あんたも燃えんさい! 面影宿して、ポンさん!」
ヨーコ、ポンさんテラスタル!
「強火で燃えてテラスタル! 赤く染まれバシャーモー!」
アカマツ、バシャーモをテラスタル!
ツノじろう、ナッシーのソーラービームをひきつけてかわし、ポンさんがツタこんぼうでナッシーをワンパン! しかしツノじろう、バシャーモからきあいだまを喰らいかけるもかわす! 代わりにポンさんの盾となりきあいだまを喰らって倒れる。
「こいつがオレのスペシャリテ! アカマツ定食ほおばりなよ!」
バシャーモかがやくやけっぱち!
ポンさんはツタこんぼうほのおバージョンで立ち向かう!
「キタカミのかまどの力、くらえ!!」
「ぽ・に・おー!」
ほのお対ほのお! 競り勝って勝利!
「よっし!」
「ぽにおーん!」
ふたりでガッツポーズ!
フライパンで顔を隠すアカマツ。
「勝ちたかったけど、負けたー!」
応急手当てをしてアカマツのもとへ。アカマツも駆け寄ってきた。
「スゲー! 強火で燃えたー! ヨーコ、スゲーよ!」
「いえいえ、アカマツさんも強火力です!」
「いやー、やっぱり熱い勝負はいいな! オレさ、勝負も料理もわかりやすいから好きだ!
勝負は勝つか負けるか! 料理は辛いか辛くないか! ……シンプルだろ?」
「た、確かに……」(汗)
アカマツ、うつむき、
「──でも、今のリーグ部はなんでかイゴコチ悪くて、スゲー……、むずかしい! どうすれば、前みたいな楽しい部活に戻れるんだろ……」
「うん……」
うなずくしかないヨーコ。しかしアカマツ気を取り直して、
「──つい弱火になっちゃったけど、ヨーコ! 強かった!! 燃えあまる情熱をフライパンに! あふれる気持ちも食べてな!」
写真をパシャリ。ついでにスパイシーなチョリソー入りホットドッグ風サンドを作ってもらって、みんなでいただく。激辛だがおいしい。
「うひー、ごちそうさまでした」
「おそまつさまでした!」
アカマツ、わざマシンを取り出し、
「オレの大事なレシピ、ひとつあずけとく」
やけっぱちのわざマシン。ふたりで片付けし、アカマツ戻りながら、
「料理以外の火加減は、オレにはわかんねー!」
振り向き、ヨーコに笑いかける。
「だからヨーコ! ブルベリーグ燃え上がってな!」
「はい! ありがとうございました!!」
頭を下げるヨーコ。去っていくアカマツ。
と、アカマツと入れ違いに姿を現したカキツバタ。
「おーす、未来のチャンピオン」
「カキツバタさん!」
「まずは四天王1人目、勝利だな。幸先がいいねぃ」
「アカマツさん、お強かったです」
「だろうな。アカマツも弱いほうじゃねえんだ。考え方が単純なだけで」
カキツバタ、フッと笑い、
「でもそこが、いいとこでもあるんだな」
腕をくんでしみじみと、
「部活後、アカマツ飯、みんなでつまむの、好きだったなあ。──あいつもあいつなりに、……悩んでたんだな」
「……ほう、ですよね。それに、作ってもろうたサンドウィッチ、えっと辛かったけどおいしかったです」
カキツバタ、本当に嬉しそうに、
「だろ?」
ヨーコを見て、
「アンタなら、リーグ部をたらふくひっかきまわしてくれそうだ。……そいじゃ、残り三天王、がんばってくれーい」
「お疲れ様ですー」
カキツバタを見送るヨーコ。スクエアで回復してると、
「四天王アカマツくんに勝利、おめでとう!」
「熱かったな!」
口々にほめてもらったのだった。