season8 6話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)
6.『かわいい部室でお茶会を』
部室をファンシーにして、お茶会をするヨーコとタロ、ネリネを初めとした女子リーグ部員&相棒ポケモンたち。(「ゼイユさんおらんで残念」、「スグリくんにつきそってますからね」「本人はバカンスのつもりだから気にしないで、と」)
「タロに質問があります。『かわいい』とはなんなのですか?」
「むずかしい質問ですね……」
ネリネからおもむろに聞かれ、うーん、な、タロ。
「常時かわいいと発言しているタロなら把握しているはずでは?」
「あれは……、心からあふれでてるだけで、そこまで深く考えてないというか……」
「では定義しましょう」
ネリネ少し考える。タロ、ヨーコと顔を見合わせる。
「……ピンク色は、かわいい?」
「はい! ピンクはかわいいですね!」
ヨーコ、うんうん。
「小さいは、かわいい?」
「はい! 小さいとだいたいかわいいです!」
タロ、ヨーコに、
「確か、小さいものはみんなかわいいって、昔の人も言ってたんですよね?」
「ええ。千年前くらいに活躍していたジョウト地方の貴族の女性が随筆、エッセイの中で言うてましたね」(レホール先生の授業にて)
「なるほど」
ネリネうなずく。
「でも、大きくても『デカかわ』な場合がありますね。例外として……」
「カビゴンさんとかヌオーさんとか? ドオーさん言うポケモンもじゃけど」
ヨーコ、まんじゅうの画像を見せる。
「そうそれ!」
タロ笑顔でうなずく。
「かわいいは……、むずかしい」
小さくうなるネリネ。
「かわいいと言えば、スグリくんイメチェンしてから性格変わっちゃいましたけど、見た目はかわいい……、ですよね?」
「う、うん、まあ……」
「先程の定義の文脈から推察するに、ネリネもそれは正しいかと思われます」
キラーンと輝かせ早口で語るネリネ。タロとヨーコ、思わず(汗)。
と、アカマツが入ってくる。
「タロ先輩ー、ちょっと話したいことがー……、って部室ファンシーになってる!?」
「模様替えでかわいくしてみました」
ヨーコにっこり。
「へー、すごいなー! マホイップもいるー!」
と、アカマツのお腹の虫が鳴る。
「お菓子いい?」
「甘いものだけど、どうぞ」
勧めるタロ。
「いただきまーす!」
おいしそうに食べるアカマツ。微笑ましく見守る女子3人。
「アカマツくんは今日も元気だねー」
タロしみじみ。
「そりゃあね! ご飯ガッツリ食ったから!」
アカマツ、ちゃんと飲み込んでにっこり。
「けどその後勝負してさ、だから小腹すいたってわけ」
「うふふ、男の子っていっぱい食べるもんねー」
「うん! 男っていっつも腹減ってるよ!」
「何それー、変なのー」
笑うタロ。
「……それで、何かな? わたしに話したいことって」
アカマツ、ハッ、としてしどろもどろ。
「あー……、あー、あー、そういう話だったよね!」
察するヨーコ。ネリネきょとん。
「アカマツ?」
アカマツ、しばし焦ってから、
「やっぱり、今日は……、やめとくよ! 今度で! アハハ……、ハハ……」
去っていくアカマツ。
「もーう、またー?」
半ば呆れて見送るタロ。
「アカマツくん、パパの名前出しても逃げなかったのに」
「あ、ジムリーダーさんしとりんさる言うてましたねえ」
「はい! わたしのパパって、ジムリーダーで見た目すっごく怖いんですよ。男の子に声かけられても、パパの名前出すと逃げちゃうくらい」
「そ、そがあに……?」
「ヨーコさんのお父さんは?」
「ほうですねえ。前のお父ちゃんはドジじゃったけど明るくてかっこええ人でモンスターボール工場で働いとって、今のお父さんはリーグのスタッフで美男子じゃね。法律のお仕事しとりんさってじゃ」
「前のお父さんと今のお父さん?」
「表現の仕方、何か理由が?」
かくかくしかじか。
「そっか、クスノキシティで……」
「トレーナーの悪例として授業でも取り扱われましたが、こうして実際に被害に遭われた人から聴講すると、重みが違います」
「あー、でもほら、今は幸せじゃけ」
で、テラパゴスの話を出すと、
「それならヨーコさん! わたしとポケモン勝負、しちゃいましょっか?」
「お願いします!」
「かわいいの強さ、お見せしますね!」
*
ヨーコ、タロとギリギリの戦い!
「押されちゃっても大丈夫! ゴリゴリ押して負けません!」
「テラスタルハートをどーん! かわいいのおすそわけです!」
「ドリュウズ、やっちゃえー! キュートな技でとりこにしちゃおう!」
テラバースト!
「かわええけどきょうてえ……!」
でもなんとか勝利!
「みんなかわいかった! ……ですよね!」
「もちろん!」
*
部室に戻ってまたまたお茶を飲みつつ、
「さすが! お強いですね! でもかわいかったです! ぴっかりさんにちっちらさん、ポンさんにテラパゴス! いっぱいかわいいをくれたので、わたしからもお返ししないと……」
かわいいデザインの紅茶缶くれた。
「良かったら飲んでみてください!」
「わあ、ありがとうございます!」
その後、なんとなくうずうずしているネリネとも勝負。
終わった後、仲良く後片付けする。
「自習の時間です。みんなとお茶を飲めてよかった。さようなら」
去っていくネリネ。タロとニコニコ見送るヨーコ。
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