見出し画像

職場で起きた出来事から考える、時代と働き方の変化

先日、職場である出来事がありました。
他班で遅番の社員が、出勤時間より2時間以上も早く職場に来て仕事をしていたのです。日勤と同じく8時…いや、それよりも前から。
しかしタイムカードは切らずに、あくまで自主的な行動。
管理者が不在のはずの土曜日だが、たまたま部長が来てしまい、
タイミング悪くその様子を目撃されてしまった。

「なぜそんなに早くから仕事をしているのか」と指摘され、結果として本来の遅番ではなく日勤扱いに変更され、代わりに別の班員が休日返上で呼び出され、遅番に入ることに…。
更に、その社員は始末書を書くことになりました。


「良かれと思って早く来て仕事をする」ことが、今では「ルール違反」とされ、仕事ができないズルい人間のように見られてしまう。
そんな時代になったのだと、改めて感じました。

しかし、こういった精神を擦り込んだ過去の社会背景もあると、雇用する側も理解するべきと私は感じます。
なぜなら、私のような就職氷河期・団塊ジュニア世代が、このような働き方をするケースが多い。対して若い世代(20代・30代)は、時間前に仕事をしたり、ましてや休日に職場に来ることなど、100%無いと言い切れるからだ。


労働時間の管理と価値観のギャップ


一見理不尽に思えるかもしれませんが、今の時代では「労働時間外の業務は禁止」が基本ルールです。社内の服務規律にも定められており、違反すれば処分の対象にもなります。

確かに、これは強制労働ではありません。
しかし私たちの世代からすると、やはり違和感がある。

◇「評価される働き方」だった時代

私たち団塊ジュニア世代にとって、こうした自主的な働き方はむしろ「評価されるもの」でした。
1990年代から2000年代初めにかけて、職場ではこういうことが当たり前でした。

• 「仕事の前に(1時間以上前)準備をするのは当然」

• 「休みの日でも職場に顔を出し売上を確認する」

• 「休日に出勤し、夕方まで事務作業をする」

また終業後、タイムカードを切った後に利益を生まない事務作業を始める…そんな働き方もザラにありました。
それが「美徳」とされ、上から下からも評価された空気感の時代だったのです。

振り返るとある意味、
私たちは「失われた30年」の働き方の被害者とも言えるのかもしれません

自分自身も、かつては同じだった


私も20代・30代の頃も同じように働いていました。
休みの日に職場へ顔を出し売上を確認。
時には夕方まで仕事をすることも。

それが当たり前であり、むしろ「仕事熱心」として評価される環境だったのです。
今でも土日出勤時には、就業2時間前には職場に来ています。
(10時出勤だか8時には職場にいる)
ただ、それが「仕事ができない自分を守るための行動」なのか、「単なる自己満足」なのか、かつて上の世代に擦り込まれた精神論だとも言えます。
いずれにせよ、今の時代の価値観では「ルール違反」と見なされるのは間違いありません。

時代は変わった


今では、労働時間の管理が厳格になり、就業時間外の業務は禁止されています。
もしルールを破れば、処分の対象となることもある。

◇労務管理の必要性と感じる違和感

もちろん、企業が適正な労務管理を行うことは重要です。
働きすぎを防ぎ、労働環境を整えることは、従業員の健康を守るために必要なことです。

しかし、その一方で、
「仕事に備えて準備をすること」や「より良いパフォーマンスを発揮するための準備」といった考え方まで、一律に禁止されてしまうのは、少し違和感を覚えます。

とはいえ、もし就業時間前の作業を黙認すれば、労働現場はなんでもありの無法地帯になってしまう。
生産性向上との線引きが難しく、組織の管理が崩壊する可能性すらある。
万が一事故が発生すれば、それは労災扱いになってしまうのか…?など。

こうした問題も含め、現代の働き方って、昔の世代と今の世代、管理側と現場のバランスの上に成り立っていると感じる。

これから求められる働き方とは?


結局のところ、今の時代に求められるのは、
• 「昔の働き方の価値観」
• 「現代のルール」

この2つのバランスをどう取るか、ということなのでしょう。
世代が混じる現場だらか、気づくこともあるはず。

これからの時代に適応するには、「過去の美徳」にこだわるのではなく、「新しい働き方」へとシフトすることを、自分たち世代は受け入れていく意識も必要です。

◇限界のある生産性と精神論

「8:00から16:45の間で全て終わらせろ!」
と言われても、生産性を上げるにも限界があります。

個人の能力のばらつきもあり、単純に規律を厳しくするだけでは解決しない問題も多い。

私たちのような、かつての働き方を刷り込まれた世代は、ある意味「直感的に動く」ようなところがあるのかもしれません(笑)

最後に


新しい時代に適応するために、自分は何ができるのか?
そもそも、正解はあるのだろうか?
これからの働き方を考えさせられる出来事でした。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!