【6/15追記】患者体験調査報告書(速報版)|国立がん研究センターがん対策研究所

「がんと生きる」番組内でも、今回のテーマが扱われました。音声を流しながらお読みいただけると、理解が深まると思われます。

以上、追記でした。


令和5年度患者体験調査(速報版)の結果が公表されています。患者さんの体験が反映された調査なので、相対的な視点を得ることができます。

質問内容は、診断や治療開始のタイミング、妊孕性、セカンドオピニオン、医療コミュニケーション、相談支援、金銭的負担、就労、社会とのつながりなど多岐に渡っています。

調査結果は、全体値に加えて
希少がん患者(診断時18歳以上)
若年がん患者(診断時18歳以上40歳未満)
一般がん患者(診断時40歳以上)
の3つのグループに分類して集計されています。グループごとに差が見られる結果もありました。

速報版ということで、前回平成30年度調査との比較や考察まではされていません。それでも、全100頁とそれなりのボリュームです。

4/26開催「第8回がんとの共生のあり方に関する検討会」で提出された資料からお読みになると、調査の概要が理解しやすいです(スライド作成で全37頁)。

資料2 第3回患者体験調査速報値報告(中澤参考人提出資料)[PDF形式:2.9MB]

以下、速報版から「結果一覧」「結果概要」だけを引用します(順番を入れ替えて「結果概要」を先にします)。また「あとがき」では、セカンドオピニオン受診の結果を勝手に分析します。


結果概要(全3頁)

『患者体験調査報告書(速報版)令和5年度調査』より
同上
同上

結果一覧(全4頁)

同上
同上
同上
同上

あとがき

問26「実際にセカンドオピニオンを受けた人」の割合について、①全体結果が低く、②希少がん患者さんも相対的に低いことが気になりました。

①はコロナ禍や景気の影響、②は希少がんホットラインの存在、あたりが考えられます。

①:若年がん患者さん(AYA世代)で、より影響が出やすかったと思われます。コロナ禍でオンライン・セカンドオピニオン実施可能な病院も増えましたので、前回調査よりも受けやすい環境は整っていました。
②:ホットラインは前回調査当時からありましたが、より周知されたから?あるいはホットラインからの(セカンドオピニオンを経ずに)転院が増えたから??SNSや患者会などネットワークの存在も大きいかもしれませんね。

受けた人
 全体結果:14.3%
 希少がん:11.8%
 若年がん:12.2%
 一般がん:14.5%
希少がん<若年がん<一般がん

令和5年度の結果

参考までに、前回平成30年度の結果です。
「(セカンドオピニオンを)受けた(人)」の割合は、希少がん>若年がん=一般がん

『患者体験調査報告書 平成30年度調査』(36頁)より
全210頁とボリュームたっぷりです

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