まだ彩りもせず
秋の初めの
色思ふ
霧に包まれし
かの地は鈍色(にびいろ)に染まれし
侘びとも寂びとも
或いは枯淡か幻惑か
薄墨と濃い灰色に染まれし
かの地を恋ひ
枯淡の境地に至れぬ我が身を哂う
否
枯淡など、望んではおらぬわ
そのやうな自己完結もどき
そもそも認めぬわ
原色をそのココロに残したき老女は
哂って絵に墨色を塗ってみる
鈍色ー
かの詩人が形容し
枯淡ー
かの作家が嫌悪した様相
まだまだ
その時ではないのだ
と、病んだわたしは
カラ元気
ー我が身を慰む
”その時”に決まりなど、あるものか!