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雑記と私#92:妖怪・まもの・お化け・まんじゅう

何の因果か、ここ数日で私の相互フォロワーさん、
それもどちらの女性の方の物語とエッセイに触れた。
このお二方の書かれた事柄は共通点も多く、実に興味
深い内容だったのでこの場でご紹介させて頂きたい。

まずはあなぐますみさん。
作家としては”水鳥たま季”さんとして活動中だ。
この方が書かれた物語が『まもののまもの』だ。

この表紙に込められた意味がとにかく深い!

この『まもののまもの』が制作された過程などが
記事としてアップされている。
社会人から一念発起してシナリオスクールに入学し
作家として本格的に活動を始めたあなぐまさんの
「産みの苦しみ」、そしてこの『まもののまもの』に
込められた想いが如実に書かれている。
是非お読みいただきたい。
その上でご興味をお持ちいただけたなら『まものの
まもの』もご購入くだされば幸いだ。
(ご購入は下記【インタビュー】記事からどうぞ。)

ちなみに彼女が通うシナリオスクールの講師の方も
私のnoteの相互フォロワーさんである。


もう御一方は女王まりか様。
そのエッセイ記事『女王まりかのつれづれぐさ』の
最新記事がこちら。

リケジョ(って言い方して怒られないかな…)であり、
かつ創作小説や切り口鋭いエッセイなど、あらゆる
方向からご自身を”表現”なさる才女。


このお二方が掲げたテーマは”妖怪”や”まもの”という
人間の想像力と恐怖心が産み出した”恐ろしい”存在。

そしてそこから訴えかける内容とはどちらも「人間
社会が抱える闇」という問題。

まるで違う切り口でありながら、そこから見えてくる
ものは非常に似通っている。

これはあくまで私視点での事なのだが、このお二方の
物語なり記事なりにごく短期間で触れるという偶然が
あまりにも面白かったので今回記事として取り上げ
させていただいたのだ。

きっとお二人は気が合うんじゃないかなぁ。


さて、何かと共通点の多いこれら二つの物語と記事。
その共通点のひとつに

まものとは何か
妖怪(記事ではこなきじじぃ)は何故生まれたか

という問い掛けがある。

日本に限らず、世界中に様々な神話や民間伝承などが
あり、そこには必ず人に仇なし恐れられる存在として
怪物・悪魔・妖怪・魔物などが描かれている。

これらを生み出すのは人が持つ”恐怖心”だろう。

例えば前述のまりか様の記事では、こなきじじぃが
生み出された理由に対する考察がある。
詳細は当該記事をご覧いただきたい。
現代にも通ずる、実に耳の痛い話がそこにはある。

こなきじじぃを生み出したのはおそらく「口減らし」
として切り捨てざるを得なかった赤子や老人に対する
罪の意識と、そこから来る恨みつらみという”恐れ”
ではないだろうか。

人間というものはあらゆる事柄に対して恐れを抱く。

飢餓や病気など直接死に繋がるようなものから貧困や
格差、孤独など社会を形成する人間特有の問題まで、
その恐怖というものは実に多様である。

『まもののまもの』の著者”水鳥たま季”さんはその
テーマとして

「”まもの”とは何かを考えて欲しい。それは読者に
よって変わる、読者の数だけ答えがある。」

といった事を話されている。

実際にその著書に触れ、私なりに考えたのはこうだ。

「人によって恐れるものがそれぞれにあって、それ
こそがその人にとっての”まもの”なのではないか。」

例えば私はあまり死ぬ事を怖いとは思っていない。
それは誰にでも必ず訪れる結末だからだ。
一方で私は老いていく事をとても恐れている。
自分の力で生活し、生きていく事が出来なくなる。
そんな状態にはなりたくない。
そんな有り様になるくらいならいっその事、とっとと
くたばってしまいたいとさえ思う。

五十歳を過ぎた私は日に日に老いてきている。
生き物としてはごく当たり前の事である。
しかしそれは、目に見えない恐怖として私の背後に
常にまとわりついている。
ひたひたと、ずっと忍び寄っている。

私にもっと想像力や絵心があれば、こうしたものを
何かしらの形で描く事も出来るかもしれない。

こうして人は「恐怖の存在」を生み出してきた。

今人々が最も恐れているのは「SNSでの炎上」かも
しれない。これもあるいは妖怪なのではないか。
はたまた生成AIが生み出す事実と虚構の入り交じった
言葉やイラストも、魔物となって飛び出してくるかも
しれないのだ。

何やら色々考えるだけでも恐ろしくなってきた。

差し当たって私が今一番怖いのは、饅頭と熱いお茶
だろうか。はぁ、怖い怖い・・・。





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