ヴァナ・ディールの追憶(エコーズ・オブ・ヴァナ・ディール)序章
※初めに
・この記事はFF11、およびFF14のネタバレを含みます。閲覧の際はご注意ください。
・当記事はFF14においてヴァナ・ディールに興味をお持ちになった方向けの、FF11の設定やストーリーの要訳です。
序章:ヴァナ・ディールの歴史と国家
◎古代ジラート人と”真世界”
現代(冒険者の時代)からおよそ1万年前。
ヴァナ・ディールには古代ジラートの民が住み、彼等の都を中心に繁栄していました。
ジラート人は今より遥かに進んだ文明と、お互いの心を理解し合うテレパシーのような力を持ち、クォン大陸とミンダルシア大陸の地下にある巨大な5つのクリスタルの力を引き出すことで大いに発展しました。
彼等ジラート人は共通の”ビジョン”を見ていました。
「今ある世界は偽りの姿であり、”真なる世界”には本来世界を治めるべき神々が眠っている」…。
ジラート人たちは”真世界”へと渡るために準備を始めました。
◎ジラート人とクリューの民
やがてジラート人の中に、心の見えない者たちが徐々に現れ始めます。彼等は「クリュー」と呼ばれました。クリューは一種の病のようなものだと認識され、
いずれ力を取り戻しジラートの民へと還るものと信じられており、ジラートとは別の区画に”隔離”されました。やがてクリュー人はジラートとは違う街や文化を築き生活していきます。
◎『神の扉』計画
ジラート人は真世界へと渡るために5つのクリスタルをラインで繋ぎその力を1ヶ所へと注ぎ込んで、そこに”浮島トゥー・リア”を創り上げました。このトゥー・リアこそ「真世界への扉」を開くための”装置”でした。
しかし、クリュー人たちはこの計画を危険視します。
「真世界への扉が開かれた時、この世界とそこに住むものたちはどうなってしまうのか」と。
いよいよ『神の扉』計画が実行に移されようかというその時、クリュー人たちはジラートの都にあるアーク(クリスタルの力を引き出している装置)を暴走させました。ジラートの都は消滅し、クォン大陸北部は気象変動により不毛の地へと変わり果ててしまいました。
◎”人族”の繁栄と4大国家
いつの頃からか、ヴァナ・ディールには「人族」と呼ばれる5つの種族が繁栄し、やがて国家を築いていきました。この5つの種族はそれぞれの外見的な特徴と「内なる闇(虚ろ)」を持ち合わせています。
”虚ろ”は人を人たらしめるためには必要不可欠な要素なのです。
ヴァナ・ディール最大の大陸、クォン大陸の北中部の肥沃な地帯にはエルヴァーン(XIVのエレゼンに相当)により伝統と名誉、武勲と信仰を重んじる「サンドリア王国」が生まれます。
またクォン大陸南側の荒野にはヒューム(ヒューランに相当)により卓越した技術と鉱山開発を中心とした「バストゥーク共和国」が誕生。
蟻のような獣人(蛮族に相当)アンティカ族により故郷を追われたガルカ族(ルガディンに相当)の流入により労働力を得たバストゥークはさらなる発展を遂げます。
一方ミンダルシア大陸では優れた魔法と知恵により生まれたタルタル族(ララフェルに相当)の国家「ウィンダス連邦」に、狩りと漁業を生業として世界各地を放浪していたミスラ族(ミコッテに相当)が定住。身体能力で劣るタルタルを補佐しています。
また近年、クォン大陸とミンダルシア大陸を結ぶ巨大な三本の橋とそれらを繋ぐ塔からなる”ヘヴンズブリッジ”の上にヒュームの商業国家「ジュノ」が急速に発展。ジュノを治めるカムラナートは後の「水晶大戦」での功によりサンドリアから”大公”の地位を送られ「ジュノ大公国」として成立しました。
◎水晶大戦の始まり
20年前、クォン大陸北西の地ザルカバードに「闇の王」を名乗る者が”闇の血族”を率いて出現。各地で人族と争っていた獣人たちをまとめ上げ、すべての人族の滅亡を標榜し戦争を起こしました。これが後に言う『水晶大戦(クリスタル戦争)』の始まりです。
”クリスタル戦争”と呼ばれたのは、獣人たちが世界中に散らばるクリスタルの欠片を集めていたからです。
それまでいがみ合い、小競り合いを繰り返してきた三国は当初劣勢に立たされます。しかし、後のジュノ大公カムラナートとその補佐を務めるエルドナーシュの兄弟の呼び掛けにより各国はまとまり「アルタナ連合軍」を結成。反撃に転じます。
◎ザルカバード会戦
アルタナ連合軍はクォン大陸西部にあるサンドリアからの独立国家である「タブナジア侯国」周辺にて陽動作戦を展開。一大決戦の場となったタブナジアは獣人軍の新兵器により壊滅的な打撃を受けました。さらにその余波で起こった地殻変動によりタブナジアはクォン大陸からも切り離され、孤立無援となります。かつては「ザフムルグ海の真珠」と謳われ、ジュノに匹敵するとまで言われる国力を誇ったタブナジア侯国は抵抗むなしくここに滅亡します。
一方、連合軍本体は獣人軍の本拠地ザルカバードへと進軍。ハイドラ戦隊により産み出された6人1組の小隊(パーティ)戦術などを駆使し、ズヴァール城へと迫ります。そしてついに、バストゥーク銃士隊のフォルカーの手により闇の王は討たれ、大戦は終結しました。
◎冒険者の時代
現代になり、それぞれの国家が持つ”しがらみ”に対して為政者たちが目をつけたのは、国家に縛られず自由に活動する”冒険者たち”でした。
彼等はその冒険を通じて様々な困難に立ち向かうことになるのですが、それはまた別のお話・・・。