雑記と私#88:アナタは話せますか?-性教育問題と”望まれぬ子”-
”性教育”。
日本の教育現場においてはことさらに”禁忌”として
取り扱う事自体をなるべく避けるような風潮のあった
問題でした。しかし近年、こういった問題に真っ向
から取り組むような動きが起こり始めています。
それは中学生・高校生を対象に”コンドームの使い方を
教える”というものです。
これまでこうした一歩踏み込んだ内容の教育・実践が
行われなかった理由は”はどめ規定”と呼ばれるものが
教育現場にあるからです。
この通称”はどめ規定”と呼ばれるものは文部科学省が
定めた指導要綱において、受精や妊娠については指導
するが”妊娠に至る過程”、つまり性交・セックスに
ついては教えないというものです。
この「教えない、考えさせない」が今の時代には
通用しなくなっているどころか、大きな問題点を
抱える事になってきています。
それは”情報の氾濫”です。
スマホさえあれば、エロ動画だろうがなんだろうが
正しいものからめちゃくちゃな内容のものまで、
ありとあらゆる情報が中高生でも簡単に手に入れて
しまえるわけですよ。
そんな世代がいざそうした性的な場面に直面した時、
何ら正しい知識も持たずに行為に至ったとしたら?
今、日本は”超”少子高齢化社会に突入しています。
その原因の1つが未婚・晩婚化や性体験の高年齢化
などと言われています。
ところが一方で性的ないじめなどが小学校などでも
起こっていたり、中学生が妊娠し出産するなどという
事態も増加しているのです。
これほど性に対して両極端で「歪」な国は世界中でも
日本くらいのものです。
旭川で起こった目を覆いたくなるようないくつかの
事件だって、たまたま表に出たというだけで氷山の
一角でしかないんですよ。
その原因を作ったのは「教えない、考えさせない」
という”はどめ規定”と文科省だと考えるのは、私だけ
なのでしょうか。
おそらく違います。
だからこそ、リンクの記事のように各地で教育現場に
立つ指導者やそれに賛同した企業が動き始めたのでは
ないでしょうか。
こうした指導者たちは生徒たちからの質問に真摯に
向き合い、自身の経験などへの質問にも包み隠さず
答えているそうです。それは隠すようなものではなく
自然と起こり得るものだと。
ただそうした中で発生するリスク、妊娠や性感染症と
いったものから生徒が「自分達で自分の身体を守る」
ために必要な知識として、性交によって起こる粘膜の
接触であったり、そこから起こる様々な問題(感染症
といった問題から擦れることによる痛みまで)から
身を守る手段としてのコンドームの使用法を実践を
(模型にコンドームを装着する)踏まえて指導する。
これは非常に有意義な授業だと思います。
特に女性にとっては人生を左右する大きな問題とも
なりかねないのですから。
もちろん男性にとってもそうです。
最近私が書いている小説の中で「シングルマザー」に
ついて少しばかり触れています。そこへいただいた
コメントにこのようなものがありました。
中絶、つまり”望まれぬ子”という問題は何故起こって
しまうのか。
それは正しく避妊が行われていないからであり、その
原因のひとつが”正しく避妊する知識を持っていない”
から、あるいは知識はあっても大事な事だと捉えて
いないから、というものがあります。
この問題は夫婦間にも起こります。
(主に女性側が)まだ働きたい、将来を考えて共働きで
貯蓄を貯えておきたい。そう考えたとしても、避妊が
行われていなければ妊娠する確率は当然あります。
そうした時、その子供を産むのか、あるいは・・・。
夫婦関係を良好に保つためのコミニュケーションの
手段としてセックスは重要な役割を果たします。
だからといって避妊が不要なわけではないのです。
特に今の日本において、子供が欲しくても経済的に
難しい、そういう夫婦も少なからず居ます。
まぁ、これは政府の経済、少子化への対策がいかに
後手後手で拙いものであるかという問題ですが。
日本特有の宗教観もあるのでしょうが、こうした
要因が重なって日本人の中絶に対するハードルは
低くなってしまったのでしょう。
話を戻しますが、”はどめ規定”は「(指導を)やっては
いけない」というものではありません。
保護者や教育委員会の理解が得られれば、指導を
進めても構わないということになっています。
そして上記の実践的な指導に対して、保護者から
クレームが来る事はまずないそうです。
考えてみてください。
アナタが「生徒(子供)」だったとして…
こんな事、親に訊けますか?
アナタが「両親(大人)」だったとして…
訊かれた事に真摯に向き合い、答えられますか?
こうした事をオープンに話せる良好な家庭というのは
日本ではそうそうお目にかかれないでしょう。
何故なら両親(大人)たちもまた、そうした事を禁忌と
捉えているからで、その原因も”はどめ規定”です。
だからこそ、保護者側からも「有り難い」という声が
多いそうです。触れづらい話を丁寧に指導してくれる
わけですからね。
だとしたらですよ?
はどめ規定に何の意味があるの?
ご紹介したような”実践的な”性教育というのは徐々に
色んな自治体で取り入れられてはいるようですが、
それはあくまでその自治体が自主的に動き、企業や
指導者を招いて行っているものです。
それこそ文科省が率先してやれよ!
とは思いませんか?
結局頭の硬い、考え方の古い人たちにとって性教育は
いつまで経っても禁忌なんですよ。
くだらない事に税金使ってるくらいなら、全国の
中高生全員にコンドーム配って指導しろや!
というのが私の意見です。
…別にセックスしろ、子供作れって言ってるわけじゃ
ないですよ。むしろその逆です。
逆っていうのもおかしいな。
正しい知識を身につけて、いい恋愛して、お互いを
大切にして、いい家庭を持って、そのうえで子供に
恵まれたら言う事ないじゃないですか。
オレの頃にもこんな指導してくれる人が居たらなぁ。
傷つける事も、トラウマ抱える事も、独身貫く事も
なかったかもしれない。
・・・独り身なのはオレが選んだ道か(笑)。
⬆️こういう人間を増やさないためにも文科省さん、
よくお考えになってください。