お金のかからないファン客づくり
オフサービスで他店との差別化
同行他社が多くいる業種では競走が激しく、お客様の獲得の為にあの手この手で試行錯誤しています。
私の業界もその中の1つで、多くのライバル店がサービス品をこれでもかと付けてお客様を獲得しようとしています。この状態では、お互いが自分のお店の利益率を下げ(首を絞め)いつまでたっても安定いたしません。
そんな状態から抜け出すにはどうしたらよいのかということを、私のお店で行っている事例でお伝えしたいと思います。
よかったら最後までご覧ください。
★お客様は安いから買うの?
この言葉に異論がある方もいらっしゃると思います。1円でも安い店を探して買い物をする方も大勢いるからです。
ここで言いたいのは
購入動機は人それぞれです。ということです。
・値段が安いから
・家から近いから
・店員が親切だから
・品ぞろえが豊富だから
・わくわくするお店だから
・親身になってくれるから
このように、購入動機は人によって違います。しかし、多くのお店は商品の値段やサービス品に視点を当てて考えているので、どうしても利益率が下がってしまいます。
こんなことを言っている、私のお店も長年同じような考えで商売をやっておりました。しかし、このままでは長続きしないと考え、商売に対する考え方をがらりと変えました。
そして、たどり着いたのが、オフサービスの考え方です。オフサービスとは、お客様との商取引が終わった後に行うサプライズサービスのことです。
もともと私自身は、家を継いだ当初はお金がなかったので出来るだけお金をかけない方法を色々と考えていました。
実際に、今やっている方法も、商品の納品時に手渡しでやっているものが多いので1つのオフサービスにかかるお金は、何十円~100円程度です。
もちろん郵送をすると、150円~200円程度かかりますがそれほどの金額はかかっておりません。どちらかというと、手間の方がかかっています。
そもそも、オフサービスというのは他店との差別化の為に既存客に行っているサービスですので、差別化という事に視点を当てて考えれば別にオフサービスでなくても良い訳です。
オフサービスが最も効果的という事を言っているだけなので、他の方法もあるという事を理解してください。今回は、そんな方法を紹介させて頂きます。まったくお金をかけないで出来る差別化の方法です。
・お客様の期待値を大きく裏切る
新規客があなたのお店に来店したと仮定してください。
新規客はどんな気持ちで来店したのかを想像すると分かると思います。
ほとんどの方は、お店の方から「売り込まれる」という事を覚悟して店中に入りますよね。
どんなワクワクする商品があるのだろうという「期待」とひょっとしたら売り込まれるのだろうな~という「覚悟」です。
後者が嫌な方は、そもそも知らないお店には一人で入りません。
ですから、お店に入ってくる方は「期待」と「覚悟」を両方持ち合わせて入ってくるという事になります。
ところが、お店の中を色々と見て回っても店員から売り込まれない場合は、売り込まれたらいやだな~という「覚悟」というものはある程度消え去るので、「期待」というものだけが残ります。
その為、しつこく売り込まれるよりも滞在時間が長くなります。
最近は、売り込むお店は以前より少なくなりましたので入りやすいお店も増えましたが、まだまだしつこいお店も多いのが現実です。
ちょっと話が脱線しましたので元に戻しましょう。
期待だけが残っているお客様はじっくりと自分のペースで商品を見て回ります。ところが、自分のイメージする商品がなかった場合、あるいは自分では探せなかった場合は「こんな商品は置いてないですか?」と聞かれる場合もあるかと思います。
店員が探してみても、希望するような商品がなかった場合ほとんどのお店が「申し訳ございません、当店ではそのような商品はありません」と説明し、そのお客様が次に来店したくなるような行動は取りません。
さて、ここで質問ですが
このような場合、このお客様にどのような対応を取れば又来てみたいと思って頂けるのでしょうか?
それは
このお客様の事を心配してあげる事です。心配とは「心配り」の事。
何かに困っていて、商品を探しているのでしたら自分のところで取り扱っていないものでも、何とか探してあげようという行動がお客様のハートをくすぐります。
それがライバル店のものでも、紹介してあげてほしいのです。ライバル店の売り上げが増えるという事に違和感を持つ方は視点が自分視点になっている証拠です。
お客様視点の方はお客様が喜ぶことだったらどんな事でも出来るはずです。それがライバル店の売り上げになると分かっていても。
私の店では、お客様が学生服の説明を聞きに来たときは必ず、他店の商品も比べてみて下さいと言い、ライバル店にも行くように促します。そして、その場で予約を頂く事は決してしておりません。
なぜかというと、お客様に納得して学生服を選んで頂きたいからです。もちろんお客様の名前や住所をお聞きする事もありません。
するとお客様は半分くらいの方がライバル店を見に行きます。
※ちなみに、ライバル店の地図も印刷してあるのでそれをお客様に渡す場合もあります。しかし、そのうちの約8割の方は戻って来てくれ私のお店で予約を入れてくれます。
その理由は、ライバル店では強烈な売り込みをしてくるからです。
売込みというのは、自分のお店が儲ける為にあなたのお金を使ってください。と言っているのと同じ事なので、お客様の購入動機と正反対になります。
だから共感できずに戻って来てくれるわけです。
あとの2割の方はどうなったのかというと値段に視点が向いた方で、安いからという購入動機を持った方が戻ってこなかったと推測できます。私自身は、これでよかったと思っています。なぜなら、理想的なお客様だけが集まるからです。
しかも、戻ってきたお客様はライバル店との違いを分かってくれるので、自分の友達を連れて再来店してくれる方も多いのです。という事は、結果的には100%の方が戻って来てくれたという感じになるわけ。
長い目で見ると、それ以上かもしれません。
差別化という事は、こんなちょっとした事でも出来ます。
世の中のほとんどのお店が商売の直近の目的を「お店の売り上げ増」にしています。
差別化を考えるのでしたら「お客様の困りごとを解決するにはどうしたら」という事を考えて実行する。
これだけでも、大きな差別化につながります。お金も全くかかりません。
重要なことは
矢印をどちらに向けるかです。
矢印が自分のほうに向いているお店は、どうしてもお客様のニーズとは逆の行動をとりがちですので、お客様を心配するというワードを常に頭に入れておくとよいかもしれません。
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