#1「それでもなお 態度は選ぶこと」
人生振り返って、あの時あんな事を言わなければ良かったってことは一つや二つではないですね。
それ自体は後悔する必要はないと思います。その時はきっとそうとしか振る舞えなかったのですから。大切なのはこれからです。
◆他人に対する態度を慎重に選んで対応する力はあなたを必ず助けます。
私には言わないことで、後になってものすごく助かった経験が何度かあります。正確には「言わなくて」というより「とらなくて」が正しいですね。
つまり、ある「態度」をとらなかったことが数年後に思わぬ効果をもたらすことがあるのです。
ある職場で私に辛辣な態度をとるスタッフがいました。上司である私は困りつつも日々が過ぎていきました。
その後、私が系列の別の職場へいったん転勤となった後、また数年して更に別の職場へそのスタッフと同時に赴任することになりました。
そのとき、私は「〇〇さん。また、一緒に働けますね。どうぞよろしく。」と机に文房具を整理しながら何気なく話しかけました。
そのスタッフは「はい。よろしくお願いします・・・」と答えたものの何だか腑に落ちない怪訝な表情のままでした。
数日後に行われた歓迎会の場で、そのスタッフは私に近寄りこう言ったのです。
「私はすごく反省しました。あなたにはさんざんひどいことを言っていた
から、てっきり今回のこの再会で、どんな態度をとられても仕方ないと
思っていたんです。」
「でも、あんなに気持ちよく、わだかまりなく接してくださって本当に嬉
しかった・・・。」と。
実は私の今回のこの態度は、努めてそのようにしたところがありまし
た。そのスタッフと再会したことで昔の良くない記憶が頭をよぎったこ
とも確かです。
どんな態度で接するか迷う気持ちもありました。でも、決めたので
す。
いつまでも根に持つより、自分の役割を颯爽とこなそうではないか
と自分に言い聞かせていたのです。
私がスタッフに冷たい態度で接して一矢報いることもできたでしょ
う。しかし、私はその態度をとりませんでした。
後々のことを計算していたわけではありません。
ただ、他人に対する「態度」を慎重に選んだのです。
自分のために。
この選択で得た心の平安はとてつもなく大きなものでした。その後、
そのスタッフは実に良い仕事ぶりで私を支え続けててくれたのでした。
(感謝)