[読書録] 眠れなくなるほど面白い社会心理学(亀田 達也 著)
人間関係の中であの人はどうしてそんなことをしたのか、言ったのか疑問に思ったり、自分の言動を振り返ってモヤモヤしたり、ただそれには何か理由があるのではないかと思い、そのヒントを求めて本書を読みましたので、紹介します。
はじめにで著者は「社会心理学は、社会で起こるさまざまな出来事や問題を解決する糸口となる」と書いています。個人ではけっして行わないことも集団になると行ってしまうことがあります。
ハロウィンで暴徒化した若者、
組織ぐるみの不正など。
本書では実験により明らかになった社会心理を図解しながらわかりやすく解説している本です。
本書で紹介されている実験は、日常生活でも当てはまることがあるなと思いました。学校や会社でなにかを決めようとしたとき、個人の考えではなく、集団の中の関係性に自分の意見が傾いてしまっていたりします。集団の中で働く心理を学び、客観的に物事を見るようにすることで、より集団の中でうまくやっていく手助けになる本だと思いました。
例「一貫性欲求」
人は一貫性を持ちたいので、過去にお願いをきいている場合、次もきいてしまうというもの。そのため、小さいお願いを先にきいてもらってから、本題のお願いをするときいてもらえる確率が上がるという心理だそうです。
例とは少し違いますが、職場でやっている無駄なことをやめられないのは、いつもやっているからという一貫性を保つためということかもしれません。
例「おとり効果」
人は物事を相対的に判断するので、3つ選択肢がある時、狙いに誘導するおとりが潜んでいるということです。
本書の例ではないのですが、松竹梅の3コースがある場合、竹に誘導するため、松があるということです。竹と梅だったら梅を選ぶ確率が高くなるそうです。
物事の判断を合理的にできたらどんなに楽かよく考えてます。どうしても関係者や立場、その時の状況から相対的に判断することになってしまうので、あの判断は良かったのかいつもモヤモヤしています。正解、全ての人がwinにならないと分かっていても・・・。
人は社会の中で生きているので、他人から影響を受けて意思決定をしているのだと、本書を読んで感じました。
所属するコミュニティの中で、なにかもモヤモヤすることがある人には特に、共感できることが多くあると思います。