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卒業旅行 #忘れられない旅
この#を見つけた時私にはこの思い出しかない、と思った。
私は割と色々海外に行った経験があるが中でもこの「卒業旅行」だけは決して忘れることが出来ない。
短大を卒業目前に控えた私は仲の良い友達計7人で卒業旅行を計画した。
3泊ロンドン、4泊パリで7泊8日のヨーロッパ旅だった。
前半ロンドンは仲間の中で何人か来ている子もいたのであまり問題なく思いっきり楽しむことができた。
お決まりの大英博物館に行き、バッキンガム宮殿、ロンドン橋、少しおめかししてウエストエンドで「シカゴ」のミュージカルを観た。
日本で言うGUのようなプライマークというお店に入ってミュージカルを観に行くドレスをみんなであーでもない、こうでもないと言いながらお互いの洋服を選んだのはすごく良い思い出だ。
そんな楽しいロンドンの日々があっという間に過ぎて私たちはパリに移動した。
ここからがまさかの辛くも楽しい旅の始まりだった。
まずパリに着いた途端、友達の荷物が一向に届かない、、、。1時間近く待っても全然届く気配がなく、まさかのロストバゲージになったのだ、、、。
私たちはホテルの送迎を事前にお願いしており、たまたまその時のコーディネーターの方が日本人の方で空港職員に事情を説明することができ、一安心した。
とはいえ1人は荷物を無くしている状態なのでその子の服やら化粧品やらがなくみんなで貸しあいっこをしてゲラゲラ笑って何日かは過ごしたw
もう15年近く前のことなので順番は覚えていないが行ったのはヴェルサイユ宮殿、モン・サン・ミシェル、ルーブル美術館、凱旋門だったと思う。
ヴェルサイユ宮殿で向かう途中に乗り換えをしなくてはならず、その電車を待っているときに酒瓶を持った若い男の人たちがすかさずナンパして来たのには笑った。
モン・サン・ミシェルではバスの日帰りツアーを申し込んでいたのでバスで何時間も揺られ壮大な景色を味わった。
問題はルーブル美術館で起こった。しばらくみんなで楽しんで見ていたのだが突然お腹が痛くなった。1人がお腹が痛いと訴えた後、しばらくすると我も我もとみんな駆け込むようになったのだ、、、。
しばらくしてやっとみんなのお腹が落ち着いた後、原因はなんだっただろうかと思い返したところ前日にみんな同じビーフシチューを頼んでいた。こじんまりした可愛いお店で1人はムール貝のワイン蒸し、それ以外はみんなそのシチューを食べていた。でも煮込み料理なのにお腹下すの?と疑問に思ていた時、ロストバゲージでお世話になった方がきっと油が合わなかったのだろう、と教えてくれた。人生学びは多い、、、。
そして次の目的地に向かおうとした時さらに事件が起こった。
友達が財布をすられたのだ。
地下鉄で次の電車を待っている時、私たちの後ろにちょっと年齢が低めの子達がまとまって居た。こんなに大所帯の後ろに並ばなくても良いのに思って居たところ電車が来た。ドアが開いた途端私たちは囲まれ電車に乗るに乗れない状況になった。
何してんのこいつら!?と思っていたら何人かがカバンを引っ張り始めた。「あ、やられる。絶対離さない!」と必死に抵抗していたら1人が大声を出し、そいつらはみんなホームに戻って行き、ドアを押さえつけていた奴らがパッと手を離し、私たちは電車に残されてしまった。
あー、やられた。私たちのうち1人が財布を持っていかれ、ホームに降りる事もできずただボー然と一駅を過ごした。すぐに戻って追いかけようとしたが後の祭り。全く気配はなく、とりあえず警察に行くことにした。幸い友達の財布の中には身分証明書などは入れておらず、数万円だけだった。雨の降るなかすられた友達1人だけしか警察署の中にしか入れないと言われ死ぬほど寒い中で6人身を寄せ合って暖をとった。何時間も待たされて、挙句諦めろ、と言われ散々だった。最後に英語が堪能な友達が後から追ってきた警察官にボロクソに暴言を吐いたのでそれに便乗して日本語でみんなでくだらない暴言を吐いて大笑いした。
そして最終日の夜。旅行主催者の私がやらかした。
ホテルのフロントにあるセーフティボックスの鍵を無くしたのだ。それまではずっと財布に入れていたのによりによって最終日に無くしたのだ。
必死にカバンも財布も探したが一向に出てこず、フロントにそのことを告げた。私たち全員のパスポートとチケットをそこに入れていたのだ。そうするとフロントのスタッフはスペアキーはない。朝まで待って業者を呼んで3万払って鍵を開けるしかない、と言ってきたのだ。そんなバカな!私は泣きじゃくりながら必死で英語で訴えた。土壇場になると人はとんでもない力を発揮するようで、ものすごい勢いで訴え、やがてスタッフがもしかしたらこの中にあるかもしれない、と映画に出てくるような鍵の束を取り出した。あるんじゃん!面倒くさかっただけかよ!という言葉を私は飲み込んだ。スタッフは一つひとつキーを試してみてくれ、すると十数個ほど試したところで開いたのだ。
私はまたも泣きじゃくった。本当にありがとうと何度も言いながらハグをしてやっと眠りについたのだ。
モン・サン・ミシェルもヴェルサイユ宮殿も素晴らしかったのにこの思い出たちが私の頭のほどんどを占めている。
旅に失敗は付きものだとは思うがこんなにも失敗することは後にも先にもないと思うw
でも十数年たった今でもその時のことを鮮明に思い出せる。みんなで無事日本に着いて解散する時に本当に大変だったけどこれは一生忘れられないね、と言った。
とんでもない旅ではあったけどこの時の思い出はかけがいのないものになっている。
またいつかみんなでゲラゲラと笑って旅ができたらいいな。