これでもかっ ~習い事編~
~習い事編 <書道>~
#note書き初め
何年生のころだったか覚えていないが、近所の友だちに誘われて、老齢夫妻が営む書道教室に通うことになった。その書道教室はみんな仲の良い知り合いで、既にコミュニティは出来上がっていた。
しかし、「書道」を習いに来ているので、一人増えたところで大丈夫であろう。ご一緒させていただくという感覚はあったものの、そのコミュニティに異分子が混入したという自覚はなかった。
その書道教室は8人程度の少ない人数であったが、先生はお爺ちゃま先生1人。何回か書いてよさそうだと思ったら、先生の机の横に書いた半紙を置いていった。
自分の添削の番になったら呼ばれ、朱色で直しを入れ解説してくれるのだ。絵本にでてくるようなとても優しいお爺ちゃまで、とても好きだった。しかしその妻、もといお婆ちゃまは私が入ることに否定的だったようだ。先生の前に置いた私の半紙の上だけ、わざと踏んで通り過ぎる。
墨を含んだ半紙はあっという間に破れてしまう。そのため、いつも先生に、「墨が多すぎじゃない?いつも破れているよ」と注意された。これだけあからさまに嫌がらせをしているのに、誰も気が付かないのも面白いな、とどこか他人事のように感じていた。
書道が終わった後のおやつタイム。
ポテトチップスなどの大きなお菓子以外の小袋のお菓子は、いつも1つ少なかった。私の分だけないのだ。それでも、誰も気付かなかったし私も何も言わなかった。今考えれば、そんな書道教室、すぐにやめてしまえばいいのにと思うのに、なぜか辞めようという発想に至らなかった私はまだまだ自分で思う以上に幼かったのかもしれない。