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金子あつし (著)『えなも おどっちゃうけん! 1 はじまりのとき』 ためし読み! 3 双子の電話

金子あつし (著)『えなも おどっちゃうけん! 1 はじまりのとき』ためし読み(一部無料公開)も、はや3回目! 次回4回目で、最終回になります。

今回は、えんちゃんのお母さん・安奈さんとその妹・淳奈さんの双子ならでは(?)のやり取りをお楽しみください。

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 「もしもし、淳奈。元気? そっちは、どう?」
 「元気よ。仕事はあいかわらずたいへんだけど、今年も星がきれいで癒される」
 「そう。ところで、うちのえん、覚えてる?」
 「もっちろん、覚えてるよー。熱海で会ったとき、小学生だったよね。ということは、今はもう高校生か」
 「中学3年生。高校に行くとしたら、来年ね」
「行くとしたら」その6文字は100倍となり、600本の針となって私の心臓に突き刺さった。そんなことはおかまいなしに、姉妹の会話は続いていく。
 「そうなんだ。で、えんちゃんがどうかしたの?」
 「うん、ひとり旅がしてみたいんだって。淳奈のとこに泊めてもらえたら安心かなと思ったんだけど、今週あたり都合はどう?」
 「奄美まで来るってこと? いいよ。仕事休めないから、そんなにかまってあげられないかもしれないけど」
 「いいわよ、最近の中学生はスマホで調べてどこでも行くし」
 「そっかあ、そういう時代よねえ」
 「お礼に何かお酒送るよ」
 「ほんとに? じゃあ、富士山の水で作った焼酎と甲府のワインと、あとは……」
「はいはい、近くのコンビニのワイン送るわね。コン
ビニ、近くないんでしょ?」
 「え、たしかにないけど……待って」
 「それじゃ、到着時間はメールするようにするか、よろしくね」
 「待って、花の」
 淳奈おばさんの止める声はまるで聞こえていないかのように、母は通話終了のボタンを押した。

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