君を守りたかった

君を守りたかった。
守ろうとしたものは、いつも僕の手からこぼれ落ちていく。
どれだけ手を伸ばしても、大事な瞬間に、その手を掴むことができない。
僕は、なんて惨めなんだろう。
大切に思えば思うほど、僕の前から全てが消えていく。
あの時、僕が君を庇っていたら…こんな事にはならなかったのに。
もし、僕が医者だったら君を救えたかもしれない。
もし、僕が警察だったら未然に防げたかもしれない。
もし…もしも…!
だけど、そんなことを考えても、時間は戻らない。
僕は…どうすればよかったんだ?
君のことを大切に思わなければ、好きにならなければ…良かったのかもしれない。
それが、僕の間違いだったのかもしれない…。
くそ…クソ…クソがッ…!
ゔぁーーッ!!
はぁ、はぁ…ふぅ…。
もう誰も、愛さないようにしよう。
誰かを不幸に巻き込むくらいなら、そんな感情、いらない。

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