【掛け合い台本2人用】涙は私の記憶を攫ってしまう

あらすじ
記憶のリセットが繰り返される最終日に夜景を見に二人で山に登る。山頂でなにを見たのか。そしてなにを伝えるのか。そんな二人の青春物語。

※一人用セリフを掛け合いバージョンにしました。

登場人物
女性・女性M:彩。16歳。1ヶ月で記憶をリセットされてる女性。
男性・男性M:山田。17歳。彩を何年もずっと思ってる男性。

(Mはモノローグです)

女性:ねぇ!山田くん!こっち来て! はーやーく! 遅いよー! 急いで!!
男性:待てよ! 夜で足元見えないんだから急ぐなって!
女性:もー!山田くんたら!!!!
男性:なんだよ。急にこっち来んなって
女性:しょうがなくだよ。山田くんがくるの遅いから特別に私が後ろから背中押してあげる
男性:やっめ、
女性:走るよ!!
男性:えっ、
女性:おりゃーー!!
男性:あっぶ。うわぁ!
女性:ふぅ、やっと着いたぁぁ。
男性:なんだよ。やり切った感出して。危うく、こけ
女性:見てよ。この景色!
男性:ん?
女性:すっごーい幻想的。
男性:すげぇ綺麗。俺らの街ってこんなに綺麗だんだんだ。・・・ん?
女性:・・・あ!
女性:あそこにベンチあるよ!
男性:ふぅ。疲れたー。
女性:ちょっと座らない?
女性:・・・あれ?山田くんどこー
男性:ん? なに。
女性:って!もう座ってるじゃん!!
女性:こういう時ばっかり早いんだから。
男性:疲れたんだ。椅子があったら座りたいものよね。
女性:山田くんらしいね。
男性:ほら、お前も早く座れよ。
男性:こっちでゆっくり話そうぜ。
女性:言われなくともそうしますよ。
女性:よいしょっと
男性:年寄りぽい掛け声だ。
女性:うるさい。(山田くんをどつく)
男性:ふふっ。
・・・
男性:本当にお前とこの景色見れてすごく良かった。
女性:なんか言った?
男性:なんでもないよ。
・・・・・・(間)
女性:ねぇ。
男性:ん?
女性:私さ、今日ね。
女性:山田くんとここに来れてすごく嬉しかったんだ。
男性:聞こえてんじゃん。
女性:だって、一緒に大変な思いしながら山に登って
男性:(相槌)
女性:こんなに綺麗な街を見れたんだから。
男性:そうだな。
女性:あの光一つ一つに人の生活があるって思うとすごく心が温まる気がするんだ。
女性:すごい幸せなことだよね。
男性:あぁ。
男性:あっ、あれ。
女性:・・・ん? なに? 
男性:流れ星! 上だって
女性:流れ星? 上?
(女性。上を見上げる)
女性:うわぁ! すごい・・・
男性:確か今日って水瓶座流星群が見れる日だっけ
男性:あっ・・・そうか・・・
女性:あ! 願いことしなきゃ!
女性M:山田くんと一緒に居れますように!
女性M:山田くんと一緒に居れますように!
女性M:山田くんと一緒に・・・居れますように・・・
男性:どうした? 大丈夫か?
女性M:あれなんで。
女性M:目から滴が落ちてるの
・・・
女性:ん? なんでもないよ。
男性:なんでもなくないだろ?・・・だって
女性:もう、こっち見ないでよ。
女性:泣いてないから。
女性:目にゴミが少し入っただけだから。
男性:(そっと相手を抱きしめる)
女性:困ってる女の子に優しくするのは、ちょっとばかりずるいんじゃないかな。山田くん。
男性:俺がずっとそばにいてやるから大丈夫だよ。
女性:そう言ってくれてすごく嬉しい。
女性:もう涙が止まらないじゃん。
・・・(彼女が泣き止むのを待つ)
男性:落ち着いたか?
女性:うん。落ち着いた。
女性:前にさ。
男性:うん。
女性:私、涙を流した次の日記憶がなくなるって話したの覚えてる?
女性:まぁ覚えてなくても仕方ないんだけど・・・
男性:覚えてるよ。
女性:だから、今まで嫌なことあってもずっと泣かないようにしてたの。
男性:あぁ、そうだな。
女性:でも、今・・・泣いちゃった。
女性:私泣いちゃったのよ・・・
女性:今まで山田くんと過ごした日々のこと忘れたくないよ。
女性:ずっと覚えていたい。
女性:初めて山田くんと会った日のこと。
女性:一緒に先生に怒られたこと。
女性:傘を忘れた時私を傘に入れてくれた日のこと。
女性:忘れたくない。
男性:ああ。
女性:ずっとずっと覚えていたい。
女性:でも、きっとまた同じなんだよ。
女性:だから、明日にはきっと忘れちゃうから
女性:これだけは伝えておくね。
男性:ん?
女性:今まで、ずっと、
女性:山田くんのことが大好きでした。
女性:ごめん。
女性:先、帰るね。
女性:バイバイ。
男性:あっ、まって!
男性:俺も、お前に言いたいことが!!
・・・
男性M:クソ、何回目だよ。あいつを幸せにするって決めたじゃねぇか。なんでまた泣かせてるんだよ。俺は!次の1ヶ月であいつを必ず救う。ずっと大切にするって決めたんだから。それが叶うまで何度だってやり直してやる。
・・・(翌日)
男性:8月1日か・・・
男性:やべぇ。すげぇ失望感。
男性:ヨッ(冷蔵庫を開ける)。ん?炭酸切れてるし。コンビニ行こ。
・・・(コンビニ)
女性:夏といえばやっぱりハロハロよね。
女性:ハロハロ一つください!
男性:ん?この声
男性:彩?
女性:?
男性:あぁ、ごめんなさい。見知った女性に似てたもので。
女性:そうなんだ。ふーん。世間って案外狭いんだね。
男性:あはは。
女性:これも何かの縁だしちょっと公園で話して行こうよ。
男性:そうですね。
男性:あ、すみません僕にもハロハロ一つお願いします。
男性:夏といえばハロハロですよね!
女性:わかってるねぇ! 君!
女性:私と気が合いそう!
男性:ですね。・・・
男性M:こうして彩と僕は再会する。

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