少年の悩み〜心のあり方〜

おーい!
どうしたんだ?少年?
そんなところにいたら危ねぇぞ!
ちょっとこっちにきなさい。
いいから、ほら早く。

なんであん(なところにいたんだ)・・・
あ・・・(相手の様子がおかしいことに気づく)
そうだな、なんか飲むか。
・・・水でいいか。
はぁ。
どうしてあんなところにいたんだ。
・・・なるほどなぁ。
もう全てが嫌になったとねぇ。
そうか。
で、身を投げ出そうとしたわけと。
親はいないのか?
居るなら悲しむぞ。
そうか、尚更君が無事でよかったよ。
何だ、悩み事か?
いいぞ、話してみろ。

ほう。そうなんだな。
君の親は君に『心を強く持ちなさい』って言っているんだな。
まぁ、確かに心を強く持つことは大事だな。
私も似たような状況になったことがある。
その時に私の先輩が言ってたことだが

『心を強くもとうとするから落ち込んじゃうんだよ。』

そう言ってた。
その時の私はその言葉の意味がよくわからなかったが、
今になって何十年も生きてさやっと最近意味がわかったんだ。

そうだな。

この太いみた感じ強そうな枝を自分の心だとしよう。
この枝は自分の許容できる力以上に負荷がかかった時どうなるのか。

君はどう思う?

あぁ。そうだな、簡単に折れてしまう。
人の心もこれと少し似ているだ。
自分が弱い人間だから強く居なきゃダメなんだって。
強く、強くって思ってしまうとこの木のように簡単に折れてしまう。
これが今の君の姿だ。
心が折れかかってしまっているんだ。
私はね君の『強くいなっきゃ』って考え方を変えて欲しいと思ってる。
例えば、そう。
自分の心を竹だと思って欲しい。
竹というのは細くてか弱いイメージがあると思う。
そのイメージ通り簡単に曲がってしまうんだ。
でも、さっきの枝みたいに簡単には折れないんだよ。

なんでだと思う?

・・・ん? わからない?
この竹には柔軟性がから折れないんだよ。
柔軟性があるってことは自分が許容できる力以上に
受け流す力もあるってことなんだ。
自分がきついと思ったとしてもその力を受け流すことができるんだよ。
つまり、私が言いたいのは

心に柔軟性を持つことが大切だということ
どんなに力が加わって自分が限界だと思っても
柔軟に物事を捉えられる心が君にはきっと必要なんだよ。

・・・うん。そうだね。
頑張って生きてみな。
君はまだ10代なんだから未来なんて無限に広がっている。

私はねぇ・・・ん?

なんでもないよ。
ほら親御さんが心配するぞ。
うん、さっきよりはいい顔になったな。
日も落ちてきたから気をつけて帰れよ。

こりゃ、また先生に怒られてしまうな。

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