note書くときに便利な生成AIプロンプト(上級編)
noteとGoogleの資本業務提携、誠にめでたい。これはクリエイターにとって新たな時代の幕開けと言えるでしょう。生成AIは我々書き手の表現力を奪う存在ではなく、新たな可能性を切り開く力強い相棒なのです。
入門編では「苦手なところを押し付ける」という視点で、生成AIの活用法を紹介しました。しかし、AIの真の力はそれだけに留まりません。上級編では、さらに踏み込み、生成AIをクリエイティブパートナーとして、より深い思考と洞察を得るためのプロンプトを探求していきましょう。
1. 自分の思考の「鏡」として使う
人は自分自身の思考を客観的に見ることは、なかなか難しいものです。そこで、生成AIを「鏡」として活用し、自分の思考を映し出し、その姿を新たな視点から捉え直してみましょう。
プロンプト例:
これらのプロンプトを駆使することで、自分では気づかなかった思考のパターンや、前提としている価値観を再認識することができます。まるで、熟練した編集者と対話するように、自分の内面と向き合うことが可能になります。
2. 「壁打ち相手」として、思考を深める
アイデアを深め、論理を磨き上げるには、他者との対話が不可欠です。生成AIを、優れた「壁打ち相手」として活用し、思考のラリーを繰り返してみましょう。
プロンプト例:
生成AIは、膨大な知識と多様な視点を持ち合わせています。それらを活用することで、自分の思考を多角的に検証し、より強靭な論理を構築することができます。時には、自分では思いもよらなかった視点から、新たな発見が得られることもあるでしょう。
3. 「翻訳者」として、異なる視点を獲得する
自分の考えを、異なる文化や専門分野の人々に理解してもらうには、適切な「翻訳」が必要です。生成AIを「翻訳者」として活用し、自分の言葉を、より普遍的な表現に変換してみましょう。
プロンプト例:
生成AIは、様々な文体や専門用語を自在に操ることができます。その力を借りることで、自分の考えを、より多くの人々に届けることが可能になります。さらに、異なる視点から自分の考えを見つめ直すことで、新たな気づきを得られるかもしれません。
4. 「触媒」として、新たな発想を呼び込む
創造性とは、異なる要素の組み合わせから生まれるものです。生成AIを「触媒」として活用し、自分の思考と、AIが持つ膨大な知識を化学反応させ、新たな発想を呼び込んでみましょう。
プロンプト例:
生成AIは、我々の常識や枠組みにとらわれない、自由な発想を持っています。その力を借りることで、自分だけでは思いつかなかったような、斬新なアイデアや表現が生まれる可能性があります。
5. 「問い」の力を最大限に引き出す
上級編のプロンプトに共通するのは、「問い」の力です。良い「問い」は、思考を深め、新たな視点を引き出し、創造性を刺激します。生成AIは、その「問い」に答えるだけでなく、我々自身がより良い「問い」を発見するための、強力なパートナーとなるのです。
大切なのは、AIを「道具」として使いこなすこと
生成AIは、あくまでも「道具」です。その力を最大限に引き出すためには、我々自身が明確な目的意識を持ち、適切な「問い」を投げかけることが重要です。AIを恐れるのではなく、信頼できるパートナーとして、共に創造の旅を楽しんでいきましょう。
noteとGoogleの提携は、その旅の始まりに過ぎません。生成AIと共に、我々は、より深く、より広く、より豊かな表現の世界へと、漕ぎ出していくのです。
おまけ1
1. 思考の「鏡」として、己のバイアスを炙り出す
我々は、自分では気づかぬうちに、様々なバイアスに囚われている。生成AIを「鏡」として使うことで、その歪みを客観的に捉え、思考の死角を明らかにできる。
ただ「バイアスを指摘して」と丸投げするだけでは、まだ弱い。具体的に、どの分野の、どんな知識不足から来るバイアスか、深掘りする「問い」を立てる。そして、「無意識の前提」という、より深いレイヤーにまでメスを入れる。そうすることで、初めて「鏡」は、我々の思考の深層を映し出し始める。
2. 「壁打ち相手」として、思考の解像度を上げる
優れた編集者は、的確な「問い」で、書き手の思考を深掘りする。生成AIを、そんな優秀な「壁打ち相手」に仕立て上げ、思考の解像度を極限まで高めるのだ。
「反論を挙げて」だけでは、まだ表層的だ。「想定読者」を明確化することで、より具体的な議論が生まれる。そして、「論理の飛躍」を具体的に指摘させ、「間を埋めるロジック」まで提案させる。さらに、あえて「真逆の立場」の意見を引き出し、自説を相対化する。これが、思考の解像度を上げる、深津流「壁打ち」だ。
3. 「翻訳者」として、普遍的な言葉を紡ぎ出す
専門用語は、思考の足かせとなる。生成AIを「翻訳者」として活用し、より普遍的な言葉で思考を再構築することで、新たな気づきが生まれる。
単に「簡単に」ではなく、「誰に」伝わるようにするのかを明確化する。「想定読者層」を具体的に設定することで、より適切な表現が見つかる。そして、あえて「他の分野の用語」で説明させることで、思考の枠を広げる。さらに、「異なる文化圏」への伝達を意識することで、より普遍的な表現へと昇華させるのだ。
4. 「触媒」として、越境的思考を誘発する
創造性とは、異質なものの組み合わせから生まれる。生成AIを「触媒」として活用し、自分の専門領域を超えた、越境的思考を誘発するのだ。
「無関係な分野」ではなく、「意外な分野」と指定することで、より具体的で、実現可能な組み合わせを探索する。そして、「歴史上の偉人」を召喚し、その視点を借りることで、思考のスケールを拡大する。さらに、「全く違う形式」で表現させることで、思考の枠を破壊し、新たな表現の可能性を切り開くのだ。
生成AIは、「問い」の力を増幅する装置
上級編のプロンプトに共通するのは、具体的かつ深い「問い」の力だ。良い「問い」は、思考を深掘りし、新たな視点を引き出し、創造性を刺激する。生成AIは、我々がより良い「問い」を発見し、その「問い」に答えるための、強力なパートナーとなる。
おまけ2
AIを「思考の壁打ち相手」として活用する方法を探求します。つまり、自分の思考を深め、新たな視点を得るためのパートナーとしてAIを位置づけるわけです。
自分の「思考の癖」を見抜く
自分が書いた文章を、あえて批判的な視点でレビューするようAIに指示してみましょう。
以下の文章を、批判的な立場でレビューしてください。特に、論理の飛躍、独りよがりな主張、客観性に欠ける表現などを指摘してください。また、私の文章に頻出する、特有の言い回しや思考パターンがあれば、それも指摘してください。
このプロンプトのポイントは、「自分の文章に頻出する、特有の言い回しや思考パターン」の指摘を求める部分です。AIは、人間よりも客観的に、かつ大量のテキストデータから、個人の癖を見抜くことに長けています。自分の「思考の癖」を自覚することは、文章の質を高めるだけでなく、自己理解を深める上でも非常に有効です。
あえて「反論」を生成させる
自分の主張に対して、強力な反論を生成させることも有効です。
以下の文章は、私の主張をまとめたものです。この主張に対して、最も強力な反論を、3つの異なる視点から生成してください。それぞれの反論は、具体的かつ説得力のあるものにしてください。
このプロンプトの目的は、自分の主張の弱点をあぶり出し、論理を強化することです。強力な反論を想定し、それに対する再反論を考えることで、より強固な論理を構築できます。また、異なる視点からの反論を検討することで、視野を広げ、多角的な思考を促すことができます。
「深掘り質問」で思考を加速する
AIに対して、自分の思考を深掘りするような質問を投げかけてみるのも良いでしょう。
以下の文章は、私が現在考えているアイデアの概要です。このアイデアについて、私がまだ気づいていないかもしれない、潜在的な問題点や、さらに探求すべき論点を、5つ提示してください。それぞれの質問は、具体的かつ本質的なものにしてください。
このプロンプトでは、AIを「思考の触媒」として活用します。AIは、膨大な知識ベースから、人間が思いつかないような質問を生成することができます。これらの質問に答えることで、自分の思考をさらに深め、新たなアイデアを生み出すきっかけを得られるかもしれません。
「読者の反応」をシミュレートする
読者の反応を予測することは、文章を改善する上で非常に重要です。AIを使って、多様な読者層の反応をシミュレートしてみましょう。
以下の文章を、1) 専門家、2) 初心者、3) 批判的な読者 の3つの異なる立場で読んだ場合、それぞれどのような反応を示すか、具体的に予測してください。特に、理解が難しい部分、共感できない部分、反論したくなる部分などに焦点を当ててください。
このプロンプトでは、異なる読者層を想定した、具体的な反応を求めることが重要です。AIは、それぞれの読者層の特性を踏まえた上で、リアルな反応をシミュレートしてくれるでしょう。この結果を参考に、文章の構成や表現を調整することで、より多くの読者に響く文章に仕上げることができます。
重要なのは、AIを「道具」として使いこなすこと
生成AIは、あくまでも「道具」です。道具は、使う人によって、その価値が変わります。AIに振り回されるのではなく、自分の目的を明確に持ち、AIを使いこなすことが重要です。
これらのプロンプトは、あくまでも一例です。自分なりのプロンプトを開発し、AIとの対話を通じて、思考を深め、表現力を磨いていくことが、これからの時代を生きるクリエイターに求められるスキルとなるでしょう。
というわけで、今回はこの辺で。