平時/有事の戦略の違い
その社長は初の訴訟にテンパっていました。
多くの人は有事(緊急事態)に慣れておらず、経験がありません。
次に何が起こり、どうすればいいのかの想定が上手く出来ないことから、
描いたアクションプランも穴だらけ、ということがよく起こります。
でも日頃から先回りしてプランを描く癖がついてしまっていることから、中長期的なプランを有事でもつい描こうとするのです。
それが落とし穴とも言えます。
有事というのは相手からの攻撃というボールが、どこにどんな形で飛んでくるのか分かりません。
逆を言えば、飛んできてから策を考える方が現実的とも言えます。
日頃から実践している「後出しジャンケン」という手法です。
場当たり的な判断は、一見すると無策にも思えますが、
策を巡らせて準備することはタダでは出来ません。
もちろん弁護士というコストが発生します。
その社長はあまり予算があるわけではありませんでした。
むしろその準備をすることで予算が逼迫してしまう懸念もありました。
その有事がいつまで続くかは神のみぞ知ります。
ウクライナの戦争がここまで続くと誰が予測できたでしょう。
日本人は「起こらない心配」に対して凄まじく無駄なエネルギーを使ってしまいがち(コロナも実害よりも心配に対する被害の方が多かったはず)。
有事は長期戦を覚悟した上で、省エネで対策してゆく方が無難なのです。
場当たり的な当座的な判断こそ有事に必要な戦略でしょう。
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