サイコパスの特徴
目次
(1)サイコパスの特徴
(2)サイコパス的特徴の原因
(3)最後通牒ゲーム
(4)ゲーム結果の傾向
(5)サイコパスは天才?
サイコパスと聞くと映画やドラマなどで見る猟奇的殺人犯をイメージする人が多いかもしれないが、実はサイコパス的特徴を持つ人は人口の3〜5%程度存在するといわれている。つまりあなたの職場などでもサイコパス的特徴を持った人がいるかもしれない。
心理学でいうサイコパスは「サイコパシー」と呼ばれる心理的特徴を持つ人のことを指し様々な特徴を持っている。
(1)サイコパスの特徴
①冷淡
②良心がない
③衝動的
④罰への恐怖が欠如
⑤利己的な行動をとる
⑥表面的にはいい人に見える
これらの特徴が複雑に絡み合っている人がサイコパスをみなされる。
(2)サイコパス的特徴の原因
では、なぜ同じ人間であるのにこのような特徴が出るのか?それは、感情を司る脳機能が低下しているからであると考えられている。この原因は遺伝的なものと後天的な環境によるものが関係すると言われている。
そんな脳機能とは、具体的に扁桃体や線条体などである。
(3)最後通牒ゲーム
これらの特徴を持つ人を対象に行動経済学の実験でもある「最後通牒ゲーム」を行わせるとある傾向が発見された。
まず、最後通牒ゲームとは、前提条件として1000円をAとBで分け合う。その比率はAが決めることができ10対0でも5体5の分配比率にしても良い。
Bはその提示に対して受け入れた場合はその提示金額を受け取ることができ、拒否した場合は2人とも受け取れる金額ほ0円になる。
このゲームで合理的に考えるとAは自分の分配比率を限りなく100%に近づけようとしてBは1%の提示金額でも受け入れるはずである。なぜなら、0円になるより10円でも受け取った方が自分にとって得であるからである。
しかし、普通の人は自分の分配比率が3割を切ると拒否する傾向がある。それは、人間は「不公平」が嫌いであるからである。また、人間は歴史的に集団生活を行なっている上で利己的なフリーライダー(タダ乗り野郎)を排除することによって社会秩序を保ってきて協調性が重視される社会で生きている。つまり、集団生活の中では拒否することが合理的であると考えられる。
(4)ゲーム結果の傾向
この実験でサイコパス的特徴のある人は、非常に印象的な結果が出た。
結果内容
①不公平な条件でも受け入れる
②皮膚の電気的反応が無
③扁桃体と側坐核の連動性がない
なぜサイコパス的特徴を持つ人は不公平な条件でも受け入れるのかというと、利己的であって不公平などの考えがなく自分に利益のあることには機械的に反応するからである。
その思考はもちろん脳の構造にある。
普通の人は判断する際に扁桃体で嬉しい、悲しいなどの感情を考慮した上で、側坐核という部位で報酬を見積もる作業を行う。これらの機能が連動することによって人間的感情を含んだ上での判断を行うとされている。だから、古典派の経済学者が前提としていたホモ・エコノミクス(経済人)の考えは現実とはかけ離れた考えとされるようになった。
しかし、サイコパス的特徴を持った人の脳の活動をf MRIを使って測定した結果、ゲーム中の脳の活動が扁桃体と側坐核とか連動していないことがわかった。これは、報酬面だけで判断していまい感情が全く考慮されていないということを表している。
また、同時に皮膚の反応を調べたところ、普通の人は不公平な条件を提示されると怒りの感情が湧きおこり反応は上昇するがサイコパス的特徴を持った人は反応が極端に低かった。
(引用元) https://newspicks.com/news/6777342/body?utm_source=newspicks&invoker=np_urlshare_uid7505780&utm_medium=urlshare&utm_campaign=np_urlshare
(5)サイコパスは天才?
これまでの内容はサイコパスは人間味のない残念な人というイメージを持っているだろう。確かに、集団生活を送る上でサイコパスは悪であるかもしれない。
しかし、少し前に大ヒットした嫌われる勇気では、「人は他人の人生を生きてはならない。地球は自分が中心に回っている」という感覚で生活を送った方が人生がより豊かになると書かれているように一概に利己的であることや協調性がないことが悪いこととは言えなさそうである。実際に会社の社長や上司には、サイコパス傾向が強い人が多いと言われている。会社という存在は利益第一でミクロな犠牲は気にしていられない。もちろんこれは昔の考えで今では、SCR(企業の社会的責任)やSDGs(社会の持続可能な開発目標)などが主流の経営方針に変化しており、求められる企業像も変わってきている。
それでも利益は重要であって利益を第一に考えるサイコパス的特徴を持った人材は人と違った発想を持ち天才が多いのかもしれない。
また、サイコパスに該当しないであろう人も人生をより豊かにするために程よいサイコパス思考を持った方が良いかもしれない。
参考資料
https://newspicks.com/news/6777342/body?utm_source=newspicks&invoker=np_urlshare_uid7505780&utm_medium=urlshare&utm_campaign=np_urlshare
https://www.biz-thinking-k.com/entry/next-workstyle/work-as-psychopass-1
https://www.blog.crn.or.jp/report/04/65.html
https://econ-edu.net/2016/08/10/1810/