猫と猫背とBackjoy
私は猫背である。ついでに巻き肩。少しでも姿勢を良くしたくて、職場ではBackjoyを使っていた。
そのおかげで姿勢が良くなったのかは、自分ではよくわからない。ただ座るときに気をつけなければいけないので、姿勢を意識することはできていたと思う。
さて、仕事を辞めて家に持ち帰ってはみたものの、もはや出番はない、と思っていたら、
猫たちのくつろぎの場となっていた。
時には「そろそろいいだろ、譲れよ」という会話をしている模様。
私の猫背は、母親譲りなのだが、もうひとつ理由があると思っている。
というのは、私はいわゆる第二次性徴というのが早く、小学校高学年でぽっちゃり体型、胸も他の女の子たちより早く目立つようになっていた。
そのことがどうにも嫌でなんとか隠したいと、前屈みになって歩いていた。
女の子が堂々と胸を張って歩いたっていいはずなのに、そんなふうに考えることすらできなかった。
とにかく恥ずかしかった。
というか、恥ずかしいことのように、声をひそめて語らねばならないことのように周囲の大人も話していたように思うのだ。
大人になっていくことに後ろめたさを感じるようなあの感じは、時代を問わず、10代の特徴なのだろうか。それとも昭和という時代の雰囲気、あるいは田舎の雰囲気だったのだろうか。
前屈みになって立つことが習慣になってしまった私は、自分が猫背であるという自覚もないまま大学生になった。
大学入学まもなく、一緒にPARCOに行った友人が、「あんたすごい猫背だよ」といって鏡の前に連れて行かれた。確かに横から見た私は友とは立ち姿が違っていた。
「ほらもっとシャキッとして」と背中をはたかれたような気もする。
猫背を治すためのBackjoyに猫が丸くなっておさまっている。
もうBackjoyに私が座ることはないだろう。
猫背の老婆にならないように、まっすぐシャキッと立つことを忘れないようにしよう。
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