KINDS OF KINDNESS 憐れみの3章
https://www.youtube.com/watch?v=sh7_XgIa6oA
初めてnoteを書いてみたいと思ったので、とりあえず今日観た憐れみの3章の感想でもつらつらと書いていきます。
ネタバレちょこちょこあります。
CHAPTER1:R.M.Fの死
《選択肢を奪われた男が人生を取り戻すため格闘する》
支配されている男の行動からわかることは、支配されるということは自分の存在価値も相手に完全に委ねてしまうことになるということ。
レイモンドからの無茶なお願いを拒否すると、何もかもをなかったことにされ拒絶された主人公。その後の主人公の行動はレイモンドのための行動でしかなく、思考が放棄されてしまう様子だった。
普通の思考回路なら人を殺すことは絶対にやってはいけないと思いとどまるはずで、実際主人公はしてはいけないと思っていたのにレイモンドに拒否されることの方がいけないことだと感じたのだろうか。
車で轢いてるシーン、「あぁ、もう1周行くのね!」とわくわくした自分がいましたごめんなさい。
CHAPTER2:R.M.Fは飛ぶ
《別人のようになった妻を恐れ夫の異常行動がエスカレート》
行方不明になっていた妻がついに帰ってきたのに、嫌いだったはずのチョコレートが積極的に食べるようになったり、靴のサイズが合わないようになっていたり、煙草を吸うようになっていたり、無言電話が何度もかかってきたり。
妻じゃないかも?という不安からどんどん被害妄想に囚われるようになるが、なぜリズ本人に疑っていることを伝えなかったのか?
伝えられず自分の頭の中でどんどん不安の種が大きく成長し、ついに仕事にも影響がでるような行動を起こすようになり、医者に薬を処方してもらうようになるも全く軽減せず。
こいつヤブ医者か?と問診してる様子をみて心の中でつっこんでました。
このCHAPTERは色々謎で、電話は結局誰だったのか、最後に出てきたリズは本物なのか?私的には最後に出てきたリズは幻覚なんじゃないかと冷静に思っちゃいました。
ってかリズも遭難で自分が支配される側と気付いたからって、何でもかんでも夫の言う通りにすなよー!
まぁとにかく、メンタルに問題がある人同士が限られた場所で生活するようになると悪循環しかなくて、何か救いがなければバッドエンドなんだなと思ってしまった。
CHAPTER3:R.M.Fサンドイッチを食べる
《卓越した教祖になる人物をカルト教団の女が懸命に探す》
個人的にはこのCHAPTERが1番好きでした。
ただ、私はこのCHAPTERは話の内容というよりエマストーンの演技が最高すぎて好きなんです。
エマストーンがダッジチャレンジャーで爆走したり鬼のドリフト三昧なのは最高でしたし、思わず叫んじゃいそうになりました。
衣装も映像の色味も最高だったし、あの表情の移り変わり、、、、たまらんです!この話は家族が救いになるのかと思いきや、家族も毒で主人公がカルト教団にすがりたくなるのが伝わってくる描写が心苦しかった。本当ろくでもない夫だったけど逆にエマストーンの行動の正当性を感じてしまって、世の中から宗教がなくならない理由はこういうことかと思いました。
今年に鑑賞したヨルゴスランティモスの作品はロブスター・哀れなるものたち・憐れみの3章ですが、どの作品も人間の深層心理や嫌な部分を細かに表現されていて抉られる部分は少なからずあり、彼にしか表現できないような内容になっていて満足感は得られました。
そういえばなんですけど、今作品ってすごく嫌な生活音だったり仕草がたくさんアップになって映し出されていましたよね?
確かにストレス溜まっちゃうけどああいうのも人間味があって大好きです。
とりあえずSweet Dreams(Are made of this)をガンガンにかけて浸ろう。