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【ゾッとする話】「社員さんの厳し過ぎる指導」がある幸せ

大学時代、部活やサークルに入っていなかった自分


授業が終ったら、友人と大学の近くにある雀荘で麻雀をするか、公園でフットサルをするか


これが毎日の過ごし方でした


そして、日が暮れてくると、友人の家に遊びに行くか、居酒屋やカラオケに行く流れになるのですが


自分はどちらも断り


「何だ帰るのかよ、付き合い悪いなー」


の声を背にその場を離れます


みんなの誘いを断ってどこに行くかというと・・・アルバイト


自宅から大学に通っていたので、特にお金を必要としていたわけではなかったのですが


大学生になるまでバイトをした経験がなく


自分でお金を稼げることがただ嬉しくて色んなバイトをしていました


ドラッグストアでのレジ打ちや品出し

デパートのサービスカウンターでのラッピング

本屋の棚卸し

喫茶店のキッチン

倉庫のピッキング

・・・等々、固定のバイトも持ちつつ、単発のバイトも掛け持ちます



新たなバイトを始めると、2週間程度の受入教育がありますが、その受入教育は多種多様


とあるバイトで学んだ

「何時に出社しても『おはようございます』だぞ!」

を別のバイトで実践すれば

「夜に『おはようございます』はないだろ、業界人かよ!」

のツッコミに合います 


そして、受入教育が終った後は

社員さん、パートさん、自分と同い歳くらいのバイト仲間などから細かく指導を受けて

少しずつ一人前になっていく



これからお話しする、とあるコンビニのバイトでも同じ流れで仕事を覚えていっていました



自分がバイトしていたのは、家から歩いて10分ほどのところにあるコンビニ


このお店には従業員通用口はなく、出退勤時はお客さんの出入りする自動ドアを利用


レジカウンターの前を通り抜けて、商品在庫が積み上げられているバックヤードに入り、タイムカードを切ります



ここまではいつも通りでしたが、その日は1つだけいつもと違うことがありました



それは、店長のデスクの横に居る私服の男性


おそらく初めてお会いする方で

30歳前後の雰囲気

短髪でいかにもスポーツマンという風貌で、店長ととても親しげに会話していました



自己紹介した方がいいのか少し気になったものの、シフト開始まで間もなくだったこともあり

いつも通りに「おはようこざいまーす!」と大きな声で挨拶して、早々にその場を去り

更衣室で着替えて、自分の持ち場であるレジに向かいました


レジに着いた後は、前のシフトの方から引き継ぎを受け

その後は、ほぼレジカウンターの中で過ごします

レジ打ちと肉まんなどのホットスナックの補充が主な仕事で

レジを離れるのは商品の補充とお客さんに商品の場所を訪ねられたときぐらいです



「すいません、歯ブラシってどこにありますか?」

その日もお客さんに商品の場所を訪ねられたので、店長を呼んでレジを代わってもらい

お客さんを連れて歯ブラシの並ぶ棚に向かいます


無事に歯ブラシの場所を案内し

「ここにあるんですね、ありがとうございます」

お客さんにお礼を言われたところでレジに戻ろうとすると、別のお客さんとぶつかりそうになります


ぶつからずに済んだのですが、相手を驚かせてしまったので


「すいません」

と謝罪し、そのお客さんから

「大丈夫ですよ」

の返事をいただいてレジに戻りました



レジに戻って一息つくと、何やら視線を感じます


キョロキョロと周囲を見ると、少し離れたところに出勤時にバックヤードで見掛けたあの男性

先ほどの私服から一転してユニフォーム姿


(今日のシフトは、あの人と一緒なのか)


・・・と、思うや否や、すーっとこちらに近付いてきて、自分に向かってこう言い放ちます


「さっき、お客さんに何て言った?」

何となくお怒りの雰囲気


自分は、お客さんと積極的に会話するほうではなく

いわゆるスタバに居るようなコミュニケーションお化けとはほど遠いタイプ


少し考えたものの、お客さんに何か言った記憶がなかった自分は素直に質問します

「あの・・・自分、お客さんに何か言いましたか?」


すると・・・

「言ってたよ、お客さんにあんな失礼な口の聞き方したらダメだろ!」



キツい口調で叱られますが、何のことやら全く身に覚えがありません

「すいません、自分、お客さんに何か失礼なこと言いましたか?」



間髪入れずに返答が来ます

「それだよ、それ!お客さんに『すいません』は失礼だろ!『申し訳ございません』だろ!」


どうやら自分は、敬語の使い方を間違えたらしい

これまでに「すいません」と言って怒られたことはありませんでしたが、確かに「申し訳ございません」の方が丁寧そう



「そういうことですね、申し訳ございませんでした」

素直に非を認めて謝罪をしますが、まだ許されない雰囲気



どういう経緯で今日ここにいるのかまでは聞けませんでしたが、その方は社員さんのようです


その後も社員さんの厳しい指導は続き

(今日は最後までこの厳しい指導が続くのかな・・・)


そんなことを思った丁度そのとき

買い物カゴを持ったのお客さんがレジに向かってきます



重そうな様子だったので、カゴを受け取るべく手を伸ばすと

なぜか自分の隣に居た社員さんがお客さんと自分の間に割って入り、お客さんからカゴを受け取ります


そのカゴの中には、立てた状態で入れられたビン入りのお酒がいっぱい


社員さんが割って入って受け取ったため

カゴの中のビンが

ガチャガチャっ

と激しくぶつかり合いながら倒れます



まさに、そのとき・・・

社員さんの身に信じられないことが起こります






「あっ、すいません!」






何やら社員さんの口から発せられています


社員さんは、慌ててカゴをカウンターに置き、倒れたビンを起こしながら




「すいません・・・すいません・・・」





・・・間違いない

社員さんは、完全に「すいません」と言っている




しかも、連呼している




あれだけ自分に「すいませんは失礼」と言っていたのは何だったんだろう・・・

違和感を覚えつつ、無事にお会計を終え、お客さんを送り出そうとしたとき


社員さんはハッと何かに気づいたようにして



「本当に、申し訳ございませんでした!」



と、お客さんに大きな声で言いましたとさ



以上!


ということで、いかがだったでしょうか



おそらくその社員さんも「すいません」という癖があって

誰かに注意され続けてきた過去があるのではないかとお察しします(汗)



その教え胸に刻んで、愚直に「申し訳ございません」を後輩に指導し続けてるのかな・・・



ポジティブに捉えるとこんな感じですが

社会人経験20年を超えて自分が思うことは


「すいません」でも「申し訳ございません」でもどっちでもいいよー(笑)


言葉よりも気持ちが大事!


もっと肩のチカラ抜いてこーぜー


ではまた!

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