べーチェット病、夫の場合②
①からの続き。
眼球への処置を終えて
待合室に戻ってきた夫の右目には血の涙が…。
死んだ魚のような目、という揶揄を本当に現実として人の目で見たのはこれが最初で最後。
放心状態の夫が「怖かった…。」と小さい声で。
何事にも動じなくて、ホラー映画大好きな、そんな夫も怖いと思うことがあるんだね…と、心の中で労った。
その診察と処置が終わったのは
夫が病院を訪れてから6時間後のこと。
へとへとで自宅に戻ると、
ここ最近出ていた症状
を教えてくれた。
本人はそれが「みんなに起こりうる普通のこと」と認識していたため、私にも誰にもほとんど話さなかったんだということを前置きとして。
目に関してだけでいうと
とにかく『視界が曇る』
今回の眼科にて急遽、処置された右目よりも、
(自覚症状としては)左目の視界の曇りがひどかったようで、
左目の処置は目薬だけだった。
急遽処置された右目の注射は結構強めの薬だった、と聞いて、
よほどひどかったんだと思う。
そして5日後
検査結果を聞くために病院へ。
蛍光眼底造影検査と採血の結果…
(ここの会話は思い出しながら書いているので、先生の言い回しではありません。なんとなくこのように言われたな、という感じ)
「ベーチェット病の可能性が高い
です。次回、紹介状を書いた病院の専門医に診てもらって、確定することになります。まず、間違いないと思います。高額医療にもなってくるので、申請をしてみてください。それと、指定難病特定医療費受給者に申請する準備もしておいたほうがいいと思います。」と、高額医療や申請に関することまで教えてくれた。
前の晩に、自分に出ている症状をネット検索して、出てきた病名がそれでと「まさかね」と笑っていたことを、まさか本当に先生の口から聞くことになるなんて。
難病?ってなに…?…?
一瞬目の前が真っ暗になる、というけど
私は、なんの因果か、一瞬、視界が真っ白になった。
本人はというと、淡々と先生に今後のことについて聞いたりしていた。
夫に話しかけられて、視界が戻るまでの刹那、何を思ったのかは覚えていない、それが本当の『絶望』という感覚だったのかもしれない。
自宅に帰ってベーチェット病について検索をかけてみるも、症状が人によって多岐に渡るため、これ、というものが見つからない。
今回の眼科で目についての診断は
【ブドウ膜炎】
だった。これもベーチェット病の中の一つの症状。
夫に出ている目以外の症状もすべてこれに当てはまるのはもう間違いない。
この診察から二日後、紹介状をもらった病院にいくことになるのだが
当日の朝は少し視界が欠けている、飛蚊症のような症状も出ている、と教えてくれたので、診察で話すためにメモを書いて覚えておくことにした。
実は、①の病院から帰って、
すぐに取り掛かったこと
がある。
それは夫の症状をノートに書いておくこと。
専門医に話すとき、少しでも細かく話せるように、
と思ったからというのももちろんだけど、
夫自体が、「自分のことを事細かに説明するのがとても苦手」だから。
そして、人は確実に物事を忘れる。そして、私が忘れっぽい。
こうして、私は夫の病気についてどんどん詳しくなっていくのだが
この話は、総合病院への診察よりも前に、
毎日夫に問診をすることが日常になる私の話でもあるかもしれない。
紹介状をもらった病院は年末ということもあり混んでいた。
ただ紹介状を持っていたので
滞りなく診察してもらえることになって安心した。
この時は採血と採尿、診察。
煌々とした診察室のなかで
専門医に
「ベーチェット病でほぼ間違いありません」と淡々と告げられて。
次回年明けにCT、MRI、造影検査、と決まり、気後れするくらいに色んなことに見舞われていて、目が回るようだったのを覚えている。
そしてまたその5日後、
①でかかっていた病院に経過を診せてほしいと言われていたので、
行くことになっていた。
注射のおかげで右目も少し良くなっているが
左目に処方されてる目薬は
つけすぎると違う目の病気を誘発してしまうので、と、
期間を区切られての処方。
そんな薬あるんだなぁ、とぼんやり考えていた。
ここまでの出来事で私はずっと
【現実感がない】
と感じていた。
どこか遠くのそれこそ小説の中のような感覚で
フワフワと思考の波を漂っているような…。
読んでいただいてありがとうございました。
拙い文章で申し訳なく思います。
少し書きすぎて
まとまりがなくなってきたように思うので
これ以降の話は
リアクションがあれば、次のnoteへ。
目以外で
夫に出ていた細かい症状も
書いていきたいと思います。