詩14 父はいずこ
江津湖の河面に揺れる夕焼け
それは哀しくあり切なくある
ただ美しくあり歓喜の光にもみえる
人はそれぞれに週末の一時を過ごす
そして私は父を捜す孤独なる放浪者を暗闇で叫び朦朧とした錯乱の父はいずこ
捜索は徒労に終わろうとしている
独りよがりのわたくしを神はどう見るか
風が吹く日が沈み夜が迫る父はいずこ
麦茶片手に赤い自転車をさがす
あの昨夜変形した表情を忘れない警察きたアルコールが匂う父はいずこ
嗚呼この素晴らしきかな風景を
世間は感動し笑い悦びに踊る日に
反面窪んで歪む世界に生きる父はいずこ
江津湖の河面に揺れる夕焼け父いずこ河面に揺れる夕焼け江津湖に父いずこ沈む夕焼け
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