詩作65 目覚めると夕方だった
目覚めると夕方だった
夕焼けが美しくまるで始めて見たように
徹夜明けの昼寝にて眠気を覚ます
朝飲み残したビールを片手にため息
日課のニュースを携帯で読むも
暗い言葉に辟易し空雲を見つめる
円安でドル高、ハイパーインフレ
人類が希に見る、大恐慌に震災
地球は人など知らぬと秋風吹かせる
我々は観念を愛し過ぎたのか
それとも狂気の沙汰で資本主義を信仰する
そんなもの今ここにあるのかい?
と独り言に虚無感さえ抱き酒を呑む
妻はいない図書館にて書生中
そうだな、と思い月光が昇る余白に生きる
誰も分かってくれない、が身体と魂
そのような分離した感覚を覚える瞬間
私は立ち止まり考えることがある
それは沈黙なる美しい音楽に浸り
キャンパスを超えた空間に絵画を描く
イデアがあるのか、純粋経験を総動員して
別の世界に想いを馳せ妄想を巡らせる
しかし結局行き止まり空っぽの部屋
自分の想像の限界を感じ現実社会に戻る
嗚呼また私の好きな夜がやってくる
ゲゲゲの妖怪楽園に心が踊る
新しい靴に新しい靴下古い財布を持って
沈む夕陽に進撃し死に体にあなたの元へ
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